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35話 ページ35

「代読せよ」
「は!」

手紙の内容はこうだ。


今回の件は、被害者側が事を大きくして欲しくないと申し出ている事もふまえ、表立って(とが)めはない。
けれど、2度目がない事は理解して欲しい。

思わず、アラジンと視線を交わした。

「文使いはまだいるのか」
「はい。控え室で待たせておりますが」
「シンドバッド王の様子を聞きたい。ここへ」
「は!・・・ですが、あの・・・」
「なんじゃ!はっきり申せ!!」

南弦に叱咤(しった)を受けた従者はビクッと肩を震わせた。

「その文使いですが、女なのです。」
「それがなんじゃ」

シンドリアでは、性別関係なく様々な仕事についている。
シンドバッドの使者が女である事自体、不自然ではない。

「誤りであればお許しを。その・・・、半年前、処刑場で紅炎様の亡骸(なきがら)を焼き捨てたあの女性ではないかと・・・」
「なんじゃと・・・!?」

流石の南弦と西劉も驚いたように従者に振り返った。
あの出来事は、鮮烈(せんれつ)に記憶に残っている。

「白龍君」
「話を聞きたい。ここへ通せ」


部屋に顔を出した女を見た途端、アラジンとモルジアナの緊張はあっさり解けた。
顔見知りだったからだ。

「アラジン、モルジアナ。久しぶりだね」

あはは。と、笑いながら登場したAにアラジンも駆け寄った。

「最後に会ったのはマグノシュタットかな?」

イル・イラーが下りたあの時、アラジン、モルジアナ、Aはあの場に集結していた。

「そっか。シンドバッドおじさんの使いってお姉さんの事だったんだね。後から、シンドバッドおじさんとも互角に戦える人だって聞いてびっくりしたよ」
「あはは。ファナリス相手じゃ、ちょっと無理があるけどね」

モルジアナにウインクすると、どう反応を返したらいいのかわからないモルジアナは焦ったように視線を外した。
それを見て笑うAだったが、南弦や西劉は「女がはしたない!」と、不満を漏らしている。

ふと、笑いをおさめたAは、王座に座っている白龍に目を止めたが、頭を下げようとはしなかった。

「で?私はなんで呼ばれたの?返事さえもらえればすぐに帰るよ?」
「無礼者!!陛下の御前じゃ!」
「左様!いくらシンドバッド王の使いといえど、陛下の御前だぞ!礼を取らぬか!」
「・・・。」

膝をついたAは、白龍を見てふっと微笑んだ。

「白龍帝は1番上のお兄様にそっくりね。」

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姉系チート(プロフ) - 更新待ってます! (2018年12月12日 10時) (レス) id: 41a0229c91 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ☆燐★さん» ありがとうございます。しばらく序章が続きますが、お付き合いお願いします! (2018年12月3日 6時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
☆燐★(プロフ) - 続編待ってました!これからも頑張ってください! (2018年11月29日 16時) (レス) id: 059af8cb76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年11月29日 6時

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