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33話 ページ33

「知っているも何も。・・・そうか。そういう事か。アオバがチャムスの目覚めを促したのか。」

なにやら1人納得した様子のティトスだったが、状況から大体の事情を察したようだった。

「ここへ僕を連れてきた理由は、アランを目覚めさせる為に、力を貸せという事でしょうか」
「話が早くて何よりです」

いずれ来るその時、アランの力は不可欠なものになる。
それは確信(かくしん)だった。




青い目がじっと揺れる花を見つめていた。
兄妹達全員がいなくなったアグラ家は火が消えたように静かなものだ。

間も無く1歳になろうとしているアオバは、ハイハイもお手の物だ。
風がないというのに、ふわっとアオバの前髪を揺れた。

「あーー」

それを捕まえようとアオバが小さな手を伸ばすと、こてんと前のめりに倒れた。

「あぅ〜!うぅううー!」
悔しそうに何かと戦う0歳児。
すでにお転婆(てんば)である。

アルガン島のルフは特別だ。

命の輝きを歌うように、優しく、時に激しく美しい音を(かな)でる。


「あ?何やってんだ?アオバ」

ひょいっと大きな手でアオバを抱き上げたのは、父親のアグラだ。
利き手を失ったばかりの頃は不自由な事ばかりだったが、今では無いなりの方法を身につけた。

「おや。父ちゃんに抱っこしてもらってんのかい。よかったねぇ、アオバ」

両親を独占できてご満悦(まんえつ)である。

「アバス達は今頃何してんのかねぇ」
「美味いもんでも食ってんじゃねぇか」

そうだねぇ、と笑いながら肌身離さず持っている手鏡を取り出した。

「これに聞けば教えてくれるのかねぇ」

シンドリアには持っていけないから、とアンナが預けていったアランの持ち物だ。
使い方も教えていったのだが、アイラは普通の鏡として大切に持ち歩いているだけだった。

「ほら。アラン兄ちゃんの鏡だよ。綺麗なもんだろ」
「あー・・・。うー」
「ん?触りたいのかい?」
「ちっこくても女だなぁ」
「これは大事なモンだからね。」

さっと仕舞われてしまった鏡を幼い双眸(そうぼう)がじっと追っていた。



シンドリア・迎賓館

戻ってきたアラジンとモルジアナから報告を受けると、白龍は頭を抱えてしまった。

「そうですか。そんなことが・・・」

かと言って、その兵士に落ち度はない。
自国の皇帝に危害を加えられそうになれば、剣を抜く。それが彼らの仕事だ。

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姉系チート(プロフ) - 更新待ってます! (2018年12月12日 10時) (レス) id: 41a0229c91 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ☆燐★さん» ありがとうございます。しばらく序章が続きますが、お付き合いお願いします! (2018年12月3日 6時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
☆燐★(プロフ) - 続編待ってました!これからも頑張ってください! (2018年11月29日 16時) (レス) id: 059af8cb76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年11月29日 6時

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