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16話 ページ16

「邪魔をするな!!煌帝国のせいで!」
「だから、その原因の紅さんは処刑されたんだろ?もう、それでいいだろう。いつまでそうやって恨みつらみで生きてるつもりだよ」
「お前に何がわかる!」

ひたすらめんどくさい。

もう、当事者同士で勝手にやってほしいが、ここでアバスとアギルがいなくなれば男は兵士に連行されるだろう。
さすがにそれは、後味が悪い。

「っつーか、もう、めんどくせーな。おい、そこの兵士。紅輝呼んでこい」
「おい。紅輝だって忙しくしているんだ。こんな事で呼び出したら可哀想だろ」

アバスに止められ、それもそうかとアギルは頭をかいた。

どうしたもんか。いっそ捕まったほうが丸くおさまるならそれでもいいが。

っつーか。

アギルは遠くに見える御輿に目をやった。
あそこに座っているやつがアルガン島を攻撃した。
それが原因でアランの人生は大きく変わった。
あんなことさえなければ、アランは今でも元気に笑っていたもしれないのに。

自分達こそあいつに恨みがある。

けど。
最近いっそう(たくま)しくなってきた妹を思い出してふっと笑いがこみ上げた。

「代表して私が、一発引っ叩いてきたわ!」

そう。アンナはよりにもよって皇帝の横っ面を引っ叩いてきたというのだ。
だから、もう、この話は終わりだ。

弟を失った痛みに堪え切れなくなる時もあるけれど、それに囚われて生きるような真似だけはしてはいけない。

アランは帰ってくるのだから。

「っていうか、何もなかったんだから、もういいだろうよ。ほら、後ろが止まっちまってるぜ。新参者の皇帝さんがそんなことしていいのかよ」

感傷に(ひた)っていたせいか、少し嫌味っぽかったか。
ちょっと反省していた時だ。

「貴様!!!」

怒声と共にアバスの緊迫した声。

「アギル!」

一瞬だった。
アギルを庇ったアバスの背中から、音もなく血が吹き出し、アバスの体がアギルの方へと倒れこんできた。

「兄貴?・・・兄貴!!!」
「ヒッ!」
「「「「「きゃあああああ!!」」」」

さっきまで恨みがあるとダダをこねていた男は真っ先に逃げ出し、成り行きを見守っていた観衆から悲鳴が上がった。

「兄貴!誰か!すぐに城に運んでくれ!!俺たちはシンドバッド王の招待客だ!兄貴、しっかりしろ!」
「騒ぐな。大丈夫だ」
「大丈夫なわけないだろ!」

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姉系チート(プロフ) - 更新待ってます! (2018年12月12日 10時) (レス) id: 41a0229c91 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ☆燐★さん» ありがとうございます。しばらく序章が続きますが、お付き合いお願いします! (2018年12月3日 6時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
☆燐★(プロフ) - 続編待ってました!これからも頑張ってください! (2018年11月29日 16時) (レス) id: 059af8cb76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年11月29日 6時

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