【おそ松さん】松野カラ松の家庭の事情

４1話：それぞれの想いはひとつに ページ45

Aside


カラ松さんが突然目の前に現れて、びっくりはしたけど…本当に嬉しかったんだ。


こんな見知らぬ世界まで、私のためにやって来てくれたんだって。


すぐには受け入れられず拒む私を カラ松さんは優しく包み込んでくれた。



そして、たくさんのすれ違いがあったんだって、ようやくわかったの。




私は、自分のことばかり考えて、周りが全然見えていなかったようね。



全く自分でも呆れるくらい、意地っ張りで、思い込みが激しくて。





そんな私だから…言われるまで全然気がつかなかったんだ。



『キーオ君の気持ち』



何もかもが手遅れにならなくて本当に良かった。







だけど…


おばあさまは……わかってくださるだろうか？




カラ松さんは、『俺達にまかせてほしい』と言ったけれど……



*******************


あつ子side


Aちゃんを助けてほしいと頼まれて、私までこの世界にきちゃったわ。


私の役目なんて、とうの昔に終わっちゃったと思っていたけど…



やっぱり、放っておけないわね。


それに……








「やあ。やっぱり君だったね。そうじゃないかと思ってたよ。」


「あ…」

なんとなく会えるような気がしてたけど、本人を目の前にして、私は言葉を失った。


「こんにちは。あつ子ちゃん。」


笑みを浮かべ優雅に会釈するその人物は…キーオ王子。

子供の頃の面影をほんの少しだけ残しながらも、立派に成長した彼。


私は、そんな彼と今でも時々会うことがあった。


「会いたかったよ…」

そう言って、私の右の手をとるとその甲にそっと口づける。


「結婚…するんでしょ？
だったら、こんなところ…誰かに見られたりでもしたら大変なんじゃない？」


「――そうだね。でも、僕の気持ちは誰が何と言おうと変わらないよ。」


決意のこもったそれでいて熱を帯びた瞳が、私をじっと見つめる。



「Aちゃんのこと。助けてほしいって花音ちゃんに頼まれたの。
だから、ちゃんと私も……向き合うことにするわね。」

４２話：ぶっこわす事に関しては誰にもひけをとらない六つ子たち→←４０話：君のためなら、俺はなんだってできる

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