【おそ松さん】松野カラ松の家庭の事情

２８話：出会った事は後悔しない ページ32

ここで私の…いえ


私達 双子の事について少し語る




私と花音は…ん〜なんというか…普通の人間とは違うんだな。これが



私と花音は『鏡の世界』と呼ばれる世界からやってきたのだ



信じらんない？………ま、いきなりそう言われても、だよね？


じゃあそもそも『鏡の世界』とは、なんぞ？というと


″全ての世界と繋がりを許された世界″


いわゆる『何でもあり』の魔法の世界…みたいな？





そして私達は…もうすぐ帰らなければいけない


だから、記憶も全部書き換えて彼女に全てを託したら


――彼の前から姿を消すつもりだったのだけど………









A「…失敗しちゃった、か…」


花音「…どうするの？彼、今からこっちにくるみたいよ？」


鏡に映し出されているのは、必死に走る彼の姿

．

．

．


A「…しょーがないから、カラ松さんに本当のコト話すよ
それで…………お別れだね」


チクリとする胸の痛みに私は一生懸命気づかないフリをする



カ(幼)『また、一緒に遊ぼうね！』

A「…ッ」




セピア色の映像が脳裏をよぎる


まだ幼い頃に一度だけこの赤塚を訪れたとき


私は両親や花音とはぐれてしまい…一人で泣きじゃくっていた


そんな私を最初に見つけてくれたのはカラ松さんだった


私を元気づけて一緒に遊んでくれた″優しいお兄ちゃん″


その優しさが大人になっても変わらずにいてくれた事が――とても嬉しかった


彼はあの出来事を…忘れてしまったようだけど


私はちゃんと覚えている





花音「…それで本当にいいの？」


A「だって…仕方がないじゃん？」



そうだ 仕方がないんだ

だって…私には……決められた婚約者が…いるのだから




それでも私は後悔なんかしないよ


カラ松さんと出会えた事に…後悔なんてしない


＊＊＊＊＊＊＊＊＊

カラ松side


俺は今、ハニーに会うため全力疾走中だ

ハニーが俺の記憶を書き換えようとした

どうして？

俺にはその理由を知る権利があると――萌花ちゃんは俺の背中を押してくれた

時折見せたハニーの寂しげなあの表情………

そこに理由があるんだろう…きっと

俺は馬鹿だしニートだし………どうしようもないヤツだけど

それでも、俺は君の力になりたいんだ！


だから、どうか――


俺から君を奪っていかないでくれ！


カ「ﾊﾞﾀﾝ!!ｲﾃｯ！うっ…ぐす…うぇ」

溢れ出る涙のせいで何度も何度も俺は転ぶ


それでも俺はただがむしゃらに走り続けた

２９話：彼女の複雑な事情（その１）→←２７話：忘れたくはない

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