【おそ松さん】素っ気ない人。5【一松】

227.そんなんじゃないのに ページ32

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一松先生はあまり自分の気持ちを出すほうじゃないらしくて。

トト子先生が「1月で居なくなります」って職員室で話してた時「トト子先生居ないと寂しくなるな、オレ。」と呟いたらしく一瞬その場が凍りついたらしい。



凍りついたってなんだ。








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「まぁ一松なりの表現だとオレは思ってるんだが。」

「…珍しいですね。」

「あの二人やけに距離近いとこあるからな。生徒達に絶対デキてるって聞かれまくって爆笑した覚えがある。」

「爆笑…？」



「そんなわけないのに、生徒たちってほんと単純だよな」とカラ松先生は笑うと、エンジンを切ってはぁ〜とうなだれる。



「ちょっと外歩いただけで目撃されるし。学校関係の買い出し一緒に行っただけなのに。」

「え、そうなんですか。」



「あたり前だろ」とカラ松先生はまっすぐ前を見たまま笑って言う。

まるで一松先生とトト子先生がそんな関係なわけないと豪語してるかのように。



「第1、トト子ちゃんはああ見えてモテるけど絶対玉の輿タイプだぞ。」

「玉の輿？」

「石油王としか結婚しないって言ってるからいくら好きになったって見向きしない気がするな。」

「あー……、」



「つまりアウトオブ眼中さ」とキメたように言うカラ松先生が面白くて、言ってから10秒後くらいに笑いがこみ上げた。

吹き出すと「笑うなよ」と少し嬉しそうにカラ松先生も笑う。



「忘れ物無いか？」

「無いですよ。」

「そうか。」



「じゃあありがとうございます」と言いながら、ドアを開けようとするとドアが開かない。

思わず先生の方を見ると「え？」みたいな顔をする。
ドアロックしたの、きっと忘れてる。



「先生、ドアが。」

「あ、そうか、すまん。」

「いえ。」



カラ松先生はドアロックに手をかけて笑うと、解除しようとして手が止まり「んー…」と言う。




「…先生？」

「………、」




手をかけて止まるカラ松先生は、そのドアから手を離すと私の方にスっと手を伸ばす。



「長嶋さん」

「っへ、」









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