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放課後を知らせるチャイムが鳴った。
いつもは佐伯さんと一緒に帰る約束をしているので、一緒に玄関まで行くのだが、先生に用があるらしく私が先に玄関まで行くことになった。
すれ違う人達は私を見て驚く事はなくなったけど、代わりに悪意を向ける人と好意を含んだ視線が増えた。
玄関につくと、下駄箱の中からは悪臭と共に泥が詰め込まれたローファーが出てきた。
また古典的なことをするなぁ。
この学校の生徒はどこか少し古いような気がする。
ローファーをもって、内履きを履いたまま水道のある体育館の裏まで移動する。
革靴を水につけるのは凄く抵抗があるけど、こんな状態では帰れない。
洗い終わった靴に家から持参した新聞紙を詰め込んでできる限り水分を取るようにする。
「あれー?高野さんじゃない?」
背後から聞こえたねっとりとした声に振り返る。
昨日私を呼び出した女の子だ。
取り巻きの女の子を3人連れて私を背後から取り囲むように立っている。
「どうしたのー?内履きのままで外に出て、何か洗ってたのー?」
心底楽しそうに笑ってこちらを見る彼女達。
きっとこれをやったのはこの人達だろう。
何も言い返さない私が気に入らなかったのか、不機嫌そうに顔を歪める。
「何か言いなさいよ。気持ち悪い」
私を見下すような瞳に、少し動揺の色が見えた。
私が何も反応を返してこないことを不思議に思っているのか。
「何も、言うことはないよ」
もう用はおわり?
そう続けて聞くと、次の瞬間左頬に走った熱と衝撃に身体がバランスを崩してよろける。
私を叩いたリーダー格の少女は顔を真っ赤にして鬼のように鋭く目を光らせながら私を睨みつけていた。
何がそんなに気に食わなかったのかわけもわからず唖然とする私に、少女は何かを叫んでいたような気がしたけど。
まるで水の中にいるみたいに、音が遠くてうまく聞き取れない。
ジンジンと痛む頬に手を当ててみるとそこは熱をもって、少し腫れているようだった。
あぁ、痕になってたら兄さん達が心配しちゃうかも。
「ねぇ、うちの子になにしてんの?」
突然、水が弾けたみたいに、鮮明に耳に届いた声。
私の前に立つ真っ赤なパーカー。
「おそ松兄さん…?」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ゆきな(プロフ) - 松野家兄さん方ナイス!でもあなた方は男性なんで女子の私に任せてください!精神的につぶしますから(笑顔)モブ女子?さん!少しお話しようか!(黒笑)…これからも頑張ってください-w続き楽しみにしてます-w (2019年2月25日 22時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - 続きみたい (2019年2月25日 18時) (レス) id: 2ba1387257 (このIDを非表示/違反報告)
珠愛(プロフ) - 凌さん» コメントありがとうございます!お褒めいただきありがとうございますっ!!とても嬉しいです!おっそい更新で申し訳ございません…頑張ります (2018年7月28日 15時) (レス) id: 600712081e (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 凄い小説作るの上手で羨ましい限りです…更新ファイトです! (2018年7月28日 15時) (レス) id: 6cdbac58dc (このIDを非表示/違反報告)
珠愛(プロフ) - 京松(ちかまつ)さん» 京松さん、コメントありがとうございます!返信遅れてしまってごめんなさい…。私の名前は珠愛とかいてしゅなと読みます。読みにくい名前なので謝らなくても大丈夫ですよ^^更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 600712081e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠愛 | 作者ホームページ:ニャンニャンニャン♪♪♪
作成日時:2017年9月22日 19時