松野家の六つ子に妹ができた話。

16. ページ18

肩と肩がぶつかるほど近い距離になると手に持っていたスマホを高い位置に上げて位置を調節する。

あぁ、一緒に撮るって意味だったのか。


やっとこの行動の意味を理解した私はおとなしくレンズの方へと視線を向ける。
すると、すぐにシャッター音が鳴った。

トド松さんは満足げにその写真を確認すると、「あとで送るね！」とにこやかに笑った。


「あざとっ！！」


突然聞こえた声に振り替えるといつの間にか帰ってきていたおそ松さんが笑いながら居間に入ってきたかと思うと、私をまっすぐ見つめて立ち止まる。

やがて、小さい声で何かつぶやいていたかと思うと、すかさずトド松さんがおそ松さんの頭をたたいた。


「いってぇ！なにすんだよトド松！」

「さすがにそれはアウトでしょー兄さん」


呆れた様子で仁王立ちで見下ろすトド松さんは後頭部を抑えて涙目になるおそ松さんから視線をこちらに移すと、今の聞こえた？と不安げな表情で問いかけてきた。

聞こえなかったと返すとほっと胸をなでおろすトド松さん。

いったい何を言ったのかはわからないけど、とりあえず…


「あの、私自分の部屋に行きますね？制服、着替えたいので」

「あ、そうだよね！どうぞどうぞー」


トド松さんは少し申し訳なさそうにしながら、両手を軽く自分の前で軽く合わせて「ごめんね」と一言、それに「大丈夫です」と返しながらお辞儀をしてから居間を出た。

＊＊＊

【NOside】


Aが居間を出たのを確認するとトド松は深い溜息を吐く。

さっきまで涙目でうずくまっていたおそ松はというとけろりと何事もなかったかのような態度でちゃぶ台に肩ひじをついてトド松に向けてにんまりと笑っていた。


「ほんと、ないよねー。ドン引きだよあれは」


トド松はもう一度先ほどと同じ場所に座りなおすと、スマホの画面を開く。
そこにはAとのツーショット写真が映し出されていた。


「抜け駆けしてんじゃねーよ、トッティ」


それ、全員に回せよな。
トド松の吐いたとげとげしい一言などはまるで気にも留めず、だらりとちゃぶ台に身を伏せて不機嫌そうな声を上げるおそ松に、トド松は「わかってますー」と視線はスマホに落としたまま返す。


『やっぱ生のJKは違うよな、やっべぇ起ちそう』


思ったけどふつう言わないよね。
トド松は先ほどのおそ松の発言を思い返し、聞かれてなくてよかったと再度ため息を吐いた。

17．→←15.

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す