【ヒビヤ】近所のお姉さんと仮想空間【カゲプロ】

八話 ページ10

〜電車〜


外の景色が
田んぼだらけの景色から
建物がどんどん増えていく


どんどん横へと流れていく光景に
僕は目を輝かせていた


(人1)「...そんな面白い？外。」

微笑みながら問いかけてくる(人1)さん


ヒビヤ「はい！とっても！」


その横にはいつもの不満げな顔の
愛しのヒヨリが座っていた


(人1)「ふふ、そっか、良かったね


.....あ、そういえば、雨宮君って
どうやって親に説得したの？

頑固親父がいるって言ってたよね」



ヒビヤ「あ、はい、ええっと

インドについての講習会があって
そこに行きたいって説得しました」



(人1)「へー、そんなのあるんだ

小学生なのにすごいね」



ヒビヤ「えへへ...」


(人1)さんのことを
インド好きのお姉さんって
言っただなんて言えない


ヒヨリ「ふーん...

私も好きだよ、そういうの」


ヒビヤ「！」

僕は都合よく、
ヒヨリの『好きだよ』の部分を
脳内で録音して何回も繰り返す



ヒヨリ「何その顔。キモ...」




『好きだよ、好きだよ、好きだよ』

その声を脳内再生しながら
外を眺める


ヒビヤ「あ！ビルだ！！

ビルが見えてきたよ！！

ビルっていうんだよね！？
あの高い建物！！」


ヒヨリ「はぁ...そんなの見飽きた

よくビルなんかで喜べるわね
頭お花畑なの？」



そんなヒヨリの言葉も届かず、
僕は馬鹿でかい建物達を見上げながら
華麗な夏休みライフに胸を踊らせている

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