あの日に叶った片想い【◇】 (ページ9)

今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:18,764 hit

# 男子トークページ9

.

「なー、御幸」

食堂でナベたちと話していると、後ろから
倉持が声をかけてきた。

「ん？どうしたんだよ」

俺の返答を聞く前に斜め前の空いている席に
座った。目の前に置かれたお茶に手を伸ばす。

「＿＿＿＿お前…矢崎とはどうなんだよ」

「ぶふっ！？」

倉持の突然の質問に、飲もうとしていたお茶を
吹き出しそうになった。

「何だよその反応」

俺のことを変な人を見るような目で見てくる倉持。

「い、…きなり変なこと言うなよ」

「んで、どうなんだよ？」

(お前って…恋愛トークが好きな奴なの？)

そんな疑問が頭に浮かんだ。

「どうなんだって言われても…」

ふと思い返す。

付き合い始めてから1ヶ月が経った。

部活で毎日のように顔を合わせるし、
部活後も2人の時間は作るようにしている。

「別に、普通だと思うけど」

「ま、そうだろうな。お前たちが部活終わりに
イチャついてるの見てると胸焼けしそうだし」

「おま…っ！倉持、見てたのかよ！？」

「当たり前だ」

まさか、2人の時間を他の奴に…しかも、倉持に
見られていたなんて。

少しだけ溜め息をついた。

『御幸くん』

「わっ！？＿＿＿あ、A…」

急に彼女に名前を呼ばれて驚いた。

部活が終わって時間経ってるのに、まだ学校に？

「どうした？」

『高島先生のとこに行ってたら、御幸くんを
呼んできてって頼まれたの』

「そうなのか。分かった」

じゃあ帰るねって言って食堂を後にしようとする
彼女。

「待って。送ってくよ」

『すぐそこだし大丈夫だよ？』

すぐそこでも、暗いし何かあったら心配な気持ちが
頭の中を駆け巡る。

「暗いし、心配だからさ。送って行った後でも
礼ちゃんのとこには行くから」

俺がそう言うと、少し考えた様子を見せて

『じゃあ…お願いします』

「よし。んじゃ送ってくるわ」

俺とAが出た後の食堂では、倉持が舌打ちを
したのであった。