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しかし、その気持ちの正体は、
Aに告白されてから気づくことになった。
『私は、御幸くんの前向きな気持ちとか、
野球に対する思いとか本当に尊敬してる…。
そんな御幸くんのことが、好きです…』
Aの言葉がその場に、俺の耳に響いた。
大切な友達だと思っていた彼女が、
俺とは違う好意を向けていたことを初めて知った。
急な出来事に驚いて、「ごめん」と呟くと
その場から離れようと背を向けたA。
そんな彼女の腕を掴んだ。
どうにかして俺の手を解こうとする姿を見て
モヤモヤした気持ちになった。
「______俺は、Aのことは仲のいい友達。
マネージャーとして頑張っているって思ってる」
俺が言ったことは、本当のことだ。
でも、それ以上に…何でだろう。
___彼女の“好き”は俺の心に深く入り込んだ。
「さっきの告白は素直に嬉しいと思った」
今の言葉も本当のこと。本心だ。
(大切な友達だと、言い聞かせていただけかもな…)
「____Aのこと好きになりたい。
だから、待っててくれない…?」
そう言ったけど…本当はもう君のことを
好きになっていたのかもしれない。
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作者名:こころ | 作成日時:2020年7月2日 17時