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11月で寒さもある中でも、部員たちの声は出ている。
でも、今日はそんな声も小さく感じてしまう。
いつも通りにドリンクを作ったりしているけど、
時々、御幸くんの目線が気になっている。
(…だよね)
朝の倉持くんの言葉を思い出して、
御幸くんが楽しみにしていることは知った。
.
.
何故か、今日の部活は短く感じた。
マネージャーの子たちと片付けをして、
更衣室で着替えて出ろうとすると。
「A!」
『…、御幸くん』
大好きな彼が声をかけてきた。
『お疲れ様』
「Aもな。
_____なぁ、どうして俺を避けてるの?」
御幸くんの言葉に驚いた。
(…避けてる?)
『違う…!避けてない!』
「だったら!どうして、…顔を合わせてくれないの」
私は、御幸くんと顔を合わせずに話している。
楽しみにしていた御幸くんに合わせる顔が
ないと思っている。
「俺のこと嫌いになった?」
『違う…!』
御幸くんの言葉に涙が溢れてきた。
驚いた御幸くんは、指で涙を拭き取る。
『…っ、実は____』
「なるほど。プレゼントでお菓子を作ったけど、
失敗して何も渡せないから…悩んでいたと」
御幸くんに全てを話した。
(絶対、悲しんでるよね…)
目をギュッと瞑ると、また涙が溜まってきた。
「___A」
御幸くんの低い声が耳に残った。
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作者名:こころ | 作成日時:2020年7月2日 17時