小説が好きだと伝えられること。 ページ6
小説が好きだ。
目の前の優は確かにそう言った。
その言葉が唯一の救いなのだ。
「貴方の書く小説が好きです」
これ以上の口説き文句なんてあるのだろうか。
作者は一人一人がその言葉が最高に嬉しく、また次も、その次も、これからも、と小説を書き続けられる。
嬉々として。
至極恐悦と。
「優、私達ってね、ただその一言が嬉しいんだよ」
「え?」
「感想も勿論嬉しい。この小説読んで泣きました!とか、面白かったです!とか。たったそれだけでも嬉しい。長文の感想頂くこともあるけど、それも最高に嬉しいの。それが生きる渇望なの。小説が好きって最高の褒め言葉なんだよ。だからこの前の言葉で立ち直れたの」
「…そうなん?えへへ、じゃあもっと言うな。俺な、本当にAの小説が大好き。だからさ、何の考えもなく低評価する人のために筆折るなんてことせんで?」
そんな、そんな大切な言葉。
私にとって一番大切な言葉。
優はどこまでも優しいからこそ、こんな言葉が出て来るのだ。
待ってくれている人のために小説を書き続けて来たのに、それを心無い人間のために筆を折ることに変えなくてもええやん。
前に盗作もされた。パクられた。だが、そんなのAの才能が恨めしいからやってることやで。結局それはAがそれ程にまで面白い小説を書いているからでな。
踏み付ける、詰る人間に目を向けるより、待っている、笑顔をくれる人間のために書けばええ。
自分の最高の形で、最高に楽しめるようにな!
だなんて。
そんな、そんな言葉が堪らなく嬉しくて、止まったはずの涙が溢れ出し、今度はとめどなく堰を切ったかのように溢れ出して止まらない。
次が、次が私がぶつける小説だ。
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ちょこ - とてもよかったです!二人のその後話が欲しい! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
円(プロフ) - 初コメ失礼します!語彙力が壊滅的にないので一言で言わせてもらいます()ものすごく感動しました!これからも執筆(?)頑張ってください!! (2019年6月5日 22時) (レス) id: eaf14dff11 (このIDを非表示/違反報告)
shizukuraitosor(プロフ) - う…わぁ…これ…すごい…感動しました…(なんか、語彙力なくてごめんなさい…) (2019年5月30日 18時) (レス) id: 4dff7efeca (このIDを非表示/違反報告)
どんにゃす(プロフ) - 素敵なメッセージも入っていて面白かったです。これからも頑張ってください! (2019年5月24日 15時) (レス) id: d8dc6de289 (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - 空っぽのコップさん» わぁぁありがとうございます(; ;) 伝わって良かったです……!これからも頑張らせて頂きます! (2019年5月24日 12時) (レス) id: a183fb70e9 (このIDを非表示/違反報告)
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