天才音楽家と言われた少女は伝えたい［歌い手］

初ライブ。1 ページ11

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そらるさんとまふくんが出て、歌い始める。

…すごいな、楽しそう。


緊張なんて一切見せず、会場中に声を響かせている。

俺も、早く歌いたい…！


武者震いなのか、緊張なのか、足が震える。
…きっと、武者震いだ。



「ねぇ、Ray」


『Sou…』



Souにいきなり声をかけられる。
…そうだ、俺達4番目に歌うんだもんな。



『頑張ろうな』


「…頑張らなくて、いいよ」


『え…？』



頑張らなくていいって、どういうこと？

最高のライブにしなきゃいけないんだし、期待も(多分だけど)されてるし、頑張らなきゃ…



「いつも通りで、いいんだよ」



あぁ、そっか。


幼馴染だもん、バレてるよね。

強がってるけど、私が緊張してるのも、プレッシャーを感じてるのも…


でも、大丈夫。

ステージに立っちゃえば、スイッチが入るから。
いつも、そうやって乗り越えてきたんだから。



『ありがとう、Sou』


「…本当に、分かってるのかなぁ」



小声でボソッと言った声は、歓声で聞き取れなかった。



「…じゃあ、行こっか」


『うん』




Souの後について俺、Rayは

初めてのステージに立った。




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