私を輝かせる要素｡【KZ】

Ten ページ13

Version 彩
￣￣￣￣￣
翌日｡

ついに私の初単独表紙の撮影の日になった｡


前日学校で倒れたことは即木崎さんの耳に届き､心配をかけてしまった｡

だけど単独表紙への私の熱い思いは木崎さんにも届いたらしく､絶対に無理をしないことを約束させられ､なおかつ学校を休まさせられ､今日の撮影へ行くことを許してもらえた｡


名目は｢体調不良｣。

心苦しいが昨日倒れたのもあり､信憑性がある｡





私は知らなかった｡

その日､もう1人嘘か本当か分からない｢家の用事｣という名目で学校を休んだクラスメートがいたことを｡



￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

今日の前半戦のテーマは｢大人可愛い女子｣ということで､至るところに細かな工夫が施されている｡

例えばこのワンピース｡


最近流行りのグレージュの柔らかな広がりすぎない形｡

それだけではなく肩周りにふんだんに白いレースの飾りが覆うようにつけられていて､繊細さもプラスされている｡

足元にはあえてボーイッシュな厚底の編み上げショートブーツを合わせることで､実用性や大人っぽさが出ている｡


お嬢様のような上品なファッションが似合うと言われている私の新しい世界を創ってもらえて嬉しかった｡


ﾊﾟｼｬｯﾊﾟｼｬｯ


この洋服で表紙用写真､巻頭特集用写真の一部を撮るため長時間の撮影となる｡


ﾊﾟｼｬｯﾊﾟｼｬｯ


カメラマン：いいね！美彩ちゃん､くるっと回ってみよっか！


スタッフさんからの指示を的確にこなしながら私の魅力を引き出してもらえるように全力で頑張った｡


カメラマン：OKです！お昼休憩入ります！


彩：ありがとうございます！！！



撮影スタジオを出て楽屋に向かおうと通路を抜けていると




え




何だか聞き慣れた声…？

Eleven→←Nine

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す