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大喧嘩。 ページ25

A side



.



「あ”ーもう!!!わかんねー野郎だなぁ!!!!?」


「……わかってないのはどっち」


「〜っ、はあ”、…………もういいわ、」


「…どこ行くの」


「どこ行こーが勝手だろ」



なんて言って家を飛び出したのが一時間半前。


今は街外れの廃工場の中。

その中で大音量で音楽を流しながら、一人でトスを上げて一人でスパイクを打っている。

まあ、所謂スパイクサーブだ。


喧嘩の原因?

…そんなに大したことじゃない。

研磨の幼馴染が昔から研磨のことが好きだったということを知ったのが二週間ほど前。

それを今日研磨に話したところ、そんなわけない、と一蹴され。

そしてただ純粋に疑問に思い、今も幼馴染ちゃんのこと好きか、と聞くと。

恋愛的に好き、と返ってきたので軽くキレたわけでして。

だが、さっきの研磨の『恋愛的に好き』は冗談で、嫉妬して欲しくて言ったらしい。

しかし私がキレてしまったので引くこともできなくなり、撤回するタイミングを失った、と。


まあ、まとめると。

研磨に幼馴染ちゃんのこと、今でも好きか?と聞いた。

『恋愛的に今も好き』と冗談で研磨が言う。

私が軽くキレる。

撤回するタイミングを失い、今に至る。


今現在、何人かが私を捜索しているらしい。

……それは本当ありがたい。

なんてったって、ここが何処だか全くもってわからないから。

自由に走ったはいいけど、道覚えてねえもんなぁ。



「………大沼」


「あ、彼方。久しぶり、元気だったか?」


「お前なぁ、マジで心配させんなよ。

ほら、帰んぞ。孤爪も心配してる」


「………うん、…わかってるんだけど…。

ごめん、彼方。トス上げてくれね?」


「はあ、…?

別にいいけど…俺セッターじゃねえから上手くねえよ?」


「いいよ、五本ぐらい上げてくれたら満足して帰るからさ」



ボールを渡し、助走の体制に入る。

オープントス。



ドパンッ、!!


「……ああ、やっぱりしっくりくるわぁ…」


「んじゃ次々行くぞー」



そうして早くも五本を打ち終わってしまったが、私のまだやりたいオーラを感じてトスを上げてくれた。

…いや、違うな。

まだ帰りたくねえオーラ、かな。



.



恋李おーい、夜百合。見つかったー?
ルイおい、返事
ルイまさか間違いおかしたりしてねえだろうな…?



「……大沼、寒くねぇ?」


「まあ、寒い」


「…じゃあ、こっち来いよ。暖めてやるから」

大喧嘩。2→←ゲーセンにて。



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海石榴《ツバキ》(プロフ) - 今更感すごいですが、完結しましたね。お疲れ様でした!今日読んで今日ハマって今日読み終わりました!とても面白かったです! (2019年12月23日 23時) (レス) id: 906a0c9fbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スアール | 作成日時:2019年1月7日 11時

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