【V4L0】この世界の楽しみ方。

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*


何もない。

何もわからない。



「12041、覚醒確認」

「直ちに検査に移動します」


どこから記憶がない。

何が欠けた。


私はそう考えた。


私はまた静かに瞳を閉じる。


霧のかかった頭の中を整理する。


思い出せ。思い出せ。


霞む記憶を思い出せ。



何か引っ掛かっている。


さっきまで私は何を見ていた。


何を知った。



知った？何かを知ったんだ。


私は、今までどうやって生きてきたんだっけ。

大事なことを思い出せ。

私を作り上げた、大切なものを。



＿＿＿＿＿“トモダチ”ってやつできる？


できるよ、友達が欲しいの？


＿＿＿＿＿ううん、そうじゃないよ…


ううん、あなたは友達が欲しかった。


そうでしょ？私。


あなたは友達が欲しかった。

誰かの力になってあげられる、そんな人間になりたかったんでしょ？


自分の父のような。


「お前なんで競技やらんねん、もったいなっ」
「強いね〜A、俺も頑張ろ」
「Aそれ勝てるマ？」
「どっしぇえええええい！！A最強〜！」
「A、ちゅよいから」
「Aさ〜ん、俺今めっちゃランク負けてるんすよ！help！！」
「Aさん最強！！やばすぎ！！女神女神！！」
「Aさん、なんでそんな強いんですか、俺、敵だから困ってるんですよ」


「一緒にやらん？」


わかる。ちゃんと覚えてる。大丈夫。もう失くさない。


忘れないよ。みんなずっと友達なんだから。


「俺は、Aとやれば最強になれると思ってんねんな」
「そんなこと言われてもですよ…」


やっぱり君と一緒が最強かな。

君がいない私は何もできない弱い人間だった。


8年の間で、君と私は最強になれたのかな、


1人でも頑張る君へ。置いていってごめんね。
何も言わずにごめんね。忘れてごめんね。


怒るよね。きっと泣くよね。


こんな私に、ずっと友達と伝えてくれてありがとう。


私に“友達”を教えてくれてありがとう。



ゆうすけ


君は私の、1番初めの、1番大事な友達です。

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