フラグ83 ページ44
「このままだとAは壊れるよ」
人気のない探偵社。夜の訪れを告げる緋い光の中で、探偵社の
「太宰が初めてAに触れたとき、Aは意識を失ったんだろう?」
ラムネ瓶のビー玉を揺らしながら、乱歩が翠色の目を太宰に向けた。
はい、と太宰は頷く。
「その時点で、彼女は何年間も無意識に異能を使い続けていたと考えられます」
幸せを呼ぶ異能力者、その噂が流れ始めた頃から。
噂が噂でとどまったのも、彼女がこれまで一般人として生きてこれたのも、異能力のなせるものだろう。
「広範囲、恒常的に適用される異能力がどれたけ脳へダメージを与えるのか......」
太宰は目を伏せた。
一種の現実改変。しかも限定的なものではない、ありとあらゆるものに自分の意思を投影していく力。
負担が大きいのは明らかだ。
だが彼女自身がそれをよくわかっていない。
「Aが来たときはちゃんと異能を無効化してやりなよ。あいつはまだ上手く制御できていないから」
乱歩は昔のことを思い出していた。
わからない世界がどれだけ恐ろしいのか、世界を明瞭にしてくれた福沢の存在がどれだけ大きかったか。
そんな存在が彼女にも訪れると良い、なんて柄にもないことを考えながら。
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花岳(プロフ) - チョコレヰトさん» ひゃーー!お褒め頂き光栄です......!ありがとうございます。相変わらずだらだら更新していくと思いますが必ずや完結させてみせますので!応援よろしくお願いします! (2019年2月11日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレヰト - おおお…面白いですね!ギャグ一直線って言うわけでもなく、かと言って重すぎるシリアスも無く…!!丁度良くて、見つけて一気読みしてしまいました…w応援してます!更新頑張ってください!いつまででも待ってます! (2019年1月27日 22時) (レス) id: 9bf0bfde55 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 結愛さん» 素敵なほのぼの文芸部だったんですね...こちらはガチガチ文芸部です...〆切前は常に修羅場で、よく悲鳴があがってます。それはそれで楽しいんですけどね!他校の部活の様子を聞けて嬉しいです!コメントありがとうございました!! (2018年9月19日 1時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 私も文芸部だったのですが、私の居た文芸部とは違うのですね…。(私の居た文芸部では皆好きなようにお絵描きしてました) (2018年9月17日 13時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 紅夏さん» ありがとうございます!!!!もう、ほんとにありがとうございます。待ってる、と言って頂けるだけで頑張れます。絶対書き上げますので、待ってて下さい!、 (2018年9月17日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花岳 | 作成日時:2018年1月10日 23時