フラグ67 ページ28
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「しっかし、こんなに大規模に動いたのは初めてじゃねェか?」
「うわははは......新兵器のお披露目うははは......」
上空にヘリコプターが現れた。
それは爆弾を積んだ武装集団のものではない。
搭乗者は二人。
白衣を纏った運転士と、ヘリの上に立つ黒外套。
風圧をものともせず、緊急事態の空を裂いていく。
「ったく、ちゃんと仕事しろよ?」
「当たり前でござる!うわははは!」
本当に大丈夫かよ。
インカム越しの仲間の声にそっと肩を落としたのは、横浜の暗部を掌握する組織の幹部。
「あ......あれは......ポートマフィア......!」
「何故だ!何故あいつらが出てくるんだ!」
見下ろした景色のどよめきにニタッと口を引いた。
息を吐きながら帽子を被り直す。
「交渉は決裂だ!人質を殺せ!」
「させるかよ」
途端、黒外套はヘリから身を投げた。
銃弾のように飛び、一瞬で地上に到達。殺害命令を出した禿頭の男をその身で粉砕した。
続けてヘリから大量の檸檬が降って来る。
地面に衝突した檸檬は砕け、凄まじい煙が吹き出してきた。
「これぞ我が新兵器!檸檬煙幕弾!ちなみに煙には檸檬の香りつきうわははは!」
緊迫した遊園地は一転、混乱と白に包まれた。
その中でしっかり前を見据えるのは、ポートマフィア幹部中原中也。梶井基次郎。
そして――――
「随分派手にやってるねえ」
『どうなってるんですかこれ!?』
太宰はレジの下から這い出すと、腰や腕を伸ばしながら煙だらけの外を見た。
「棚からぼた餅......いや、ヘリから爆弾か......」
思わぬ幸運が降ってきた。
これがこの子の成せるわざなら。
服のほこりを払うAを盗み見て、笑みをこぼした。
「よし。私達も行こう」
『え......ううん......はい!行きます!』
武装探偵社、太宰治。
異能者、小花衣A。
ぶつかり合う暗と影、横から射す一筋の明。
相反する明暗が今、邪悪を分かつ。
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花岳(プロフ) - チョコレヰトさん» ひゃーー!お褒め頂き光栄です......!ありがとうございます。相変わらずだらだら更新していくと思いますが必ずや完結させてみせますので!応援よろしくお願いします! (2019年2月11日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレヰト - おおお…面白いですね!ギャグ一直線って言うわけでもなく、かと言って重すぎるシリアスも無く…!!丁度良くて、見つけて一気読みしてしまいました…w応援してます!更新頑張ってください!いつまででも待ってます! (2019年1月27日 22時) (レス) id: 9bf0bfde55 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 結愛さん» 素敵なほのぼの文芸部だったんですね...こちらはガチガチ文芸部です...〆切前は常に修羅場で、よく悲鳴があがってます。それはそれで楽しいんですけどね!他校の部活の様子を聞けて嬉しいです!コメントありがとうございました!! (2018年9月19日 1時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 私も文芸部だったのですが、私の居た文芸部とは違うのですね…。(私の居た文芸部では皆好きなようにお絵描きしてました) (2018年9月17日 13時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 紅夏さん» ありがとうございます!!!!もう、ほんとにありがとうございます。待ってる、と言って頂けるだけで頑張れます。絶対書き上げますので、待ってて下さい!、 (2018年9月17日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花岳 | 作成日時:2018年1月10日 23時