5話 ▽Camp ページ6
実は私はポアロというこの喫茶店をかなり気に入っている。
初めは仕事で来ていたとはいえ、コーヒーは美味しいし雰囲気は良いし、“安室透”がいない時にもよく訪れていた。
そして今日もそんな日。
私がポアロの戸を開いたのは、ちょうど安室透のシフトが終わって帰ったであろう直後あたり。
「あ、Aさん!ちょうどいいところに!」
『ん?』
ポアロに入った瞬間そんな声が飛んできた。
店の奥に目をやると、手を挙げている園子ちゃん。そして隣には蘭ちゃん。
『なになに?どうしたの?』
ボックス席に一緒に座らせてもらうと、二人は少し顔を見合わせてから言った。
「実は今度の週末に子供たちがキャンプに行くらしいんですけど、私達も一緒に行きたいなって思いまして」
「でもお父さんは用事があって車が出せないみたいで…
そしたら安室さんが良かったら僕が行きましょうかって言ってくれまして!」
はは…あの男はまた人の懐に入るのがうまいな…
内心ちょっと苦笑いしながら二人の言葉の続きを待つ。
すると蘭ちゃんの口から予想外の言葉が飛び出した。
「良ければAさんもご一緒にどうですか?」
『え、私?いいの!?』
「もちろん!」
純粋な笑顔を向けてくれた女子高生組に思わず目を丸くする。
びっくり。ちょっとは仲良くなれたかなーと思ってはいたが、まさかキャンプに誘われるとは。
人からの遊びの誘いなんて久々に受けたが、素直に嬉しいものである。
「あ、でもAさんってお忙しいですよね」
「そっか…急に言われても難しいですかね?」
『え!いやそんなことは!』
眉を下げた女の子達に慌てて首を振った。
いやいやいや、これはなんとしても休みを取らなければ。
泊まりだから2日…いや1日半は休まなければいけないが、もうこんな機会は巡ってこないかも。
ていうか!零も行くらしいしね!?
流石にこれはあいつもOKするでしょ!
『大丈夫!上司に掛け合って有休もぎ取ってみせるから!』
「ほんとですか!?」
「いつも愚痴ってる鬼上司ですよね!?」
そうだね!!別名安室透ね!!
うん!と園子ちゃんに頷いたその時。
ポケットに入れてた携帯が小刻みに揺れた。
見れば、なんともタイムリーな人物の名前。
『例の上司から電話だ!ちょっと戦ってくる!』
「健闘を祈ります!」
ピシッと敬礼をし、私は一旦電話のために店の外に出た。
*
今回のキャンプは原作でのキャンプとは関係ありません。
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立夏(プロフ) - 坂竹会長さん» わわわほんとですね…!ありがとうございます!直しておきます! (2018年9月30日 21時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ30、あんなとこでが、あんたとこでになっております。間違っていたらすみません。 失礼しました。 (2018年9月30日 20時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 立夏さん» まさか見ていただけてるとは……!夢主ちゃんがどうなるか続きが気になります……。お互い更新頑張りましょう笑 (2018年6月7日 9時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - mリンさん» わぁぁmリンさん!初めまして!私もmリンさんの小説いつも楽しみに読ませてもらってます!!本人の前で素直になれるのはいつになるやら…という感じですが応援していただけると嬉しいです笑 ありがとうございます!頑張ります! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - お初にお目にかかります。ちょっと素直になってきた夢主ちゃんがたまらなく可愛いです………。このお話本当に好きです。私のとこの夢主とはえらい違いが……笑 続き楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年5月20日 18時