にわかだけど、ヒプマイの世界に転生しました【男主】

大丈夫っすよ。寝起きで眠いだけですって ページ24

次の日、違法マイクのリリックを大量に浴びたことによる異常が起こっていないかと、ついでに体についていた傷跡も見てもらうということで、俺たちはシンジュクディビジョンに車で向かっていた。この日は外せない用事があるとのことで、車に乗っているのは左馬刻さんとシンも乗っていた。スゲェないつの間に知り合いになったんだ？
【時間がかかりますのでGod powerで親しい関係ってこととAさんの保護者的存在って認識にさせました。】
神レベルに仕事早いね、あっ神だったわ。シンジュクってことは麻天狼と会えるってことか。どんなテンションで会えばいいのだろう。
【私の予想では、時間的に今回会えるのは寂雷さんだけだと思います。】
そっか、この時間独歩さんは仕事だしひふみんも睡眠とっている可能性高いしね。そしてテレパシーで会話してるの何気にすごいと思う。
【スマホ代わりにも使ってますし、余裕です。もし他の2人にも会いたいと思うなら、私の力で会いにくるようにしますよ？】
まぁ今回は患者として向かうわけですし、長く滞在するってなった時に仲良くなりに行こっかな。
【わかりました、シンジュクディビジョンに到着するまでまだ時間がありますが、お話でもしますか？】
少し眠いから昼寝しようかな。いや、この時間は朝寝か？
【昼寝でいいんじゃないですか？私も寝たい気分なので一緒に寝ましょうか。】
最近色々起こったから、のんびり昼寝できて嬉し〜じゃ、おやすみ〜
【おやすみなさい、Aさん。】

安心感のある音が耳に入り目を覚ました。顔を上げると、俺は前世の姿に戻っていつもの席にいて、周りにはクラスメイトがグループになっておしゃべりをしている。ぼんやりしていると少し大きい足音が近づいてきた。音の方を見ると興奮した様子のタクが居た。
「ねぇ聴いて！新しいCDのドラパがもうやばいんだよ！！何がやばいってもう色々やばいけどさ！！」
柔らかい癖っ毛、語彙力が低下した時に入る謎のジェスチャー、俺の記憶のタクそのものだ。タクは俺にとって一番の親友と言える存在だった。ヒプマイを知ったのも音楽が趣味になったのも、全部タクがきっかけだ。
「もっと語りたいけど時間がない…この感情を伝えたいのに…また明日語っていい？」
『おう、楽しみにしてるぜな。』
だが、これが最後の語りになるのを俺は知っている。何故なら次の日俺は……

病院に着いたようだ、左馬刻さんに連れられ車を降りる、目尻が濡れているのはきっと欠伸のせいだ。

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