にわかだけど、ヒプマイの世界に転生しました【男主】

特訓開始だ！ ページ19

次の日の朝、俺たちは広場にいた。特訓は保護してくれた人のことを考えて3日間の予定になった。今日はまず、ラップの実力などを見るために実際にラップバトルをする日。お互いマイクを起動して向かい合う。プレッシャーで肌がピリピリする。心臓が飛び出そうだ。
一郎「Aから始めていいぞ？本気でぶつかってこい。」
『わかった、宇宙までぶっ飛ばす気持ちで行くぞ？』
本気のリリックを紡いで一郎くんにぶつける。一郎くんは少しよろめいたけどしっかり受け止めた。俺を見つめる瞳に鋭い光が見える。バトルの時の顔超カッケェ！そう思っていると一郎くんがマイクを構えた。強い攻撃がくる、気絶しないようにしないと！
一郎くんの攻撃を喰らった瞬間、脳を直接揺さぶられるような衝撃が走りその場に膝をついた。一瞬意識が飛びかけた。これがディビジョン代表の力か…！全身に力を入れて立ち上がり全力の一撃をもう一度ぶつけた。衝撃で一歩後ろに下がったけど膝はつかなかった。全身が熱くなるのを感じる、前世でここまでマジになるような出来事なかったから抑えが効かなくなりそうだよ！

だいぶ長い時間バトルをした気がする、それでも一郎くんは一回も膝をつかなかった。余裕あるように見せているけど、正直頭クラクラするし立っているのも辛い。一回でもいいから膝つけさせたい。
一郎「時間的にあとワンバースになりそうだな、そういえばAのラップアビリティってどんなやつだ？」
『俺のアビリティ？すっごい強いよ。きっと一郎くんでも倒れるぐらい強い。いや、確実に倒れる。』
一郎「へぇ…じゃあ、使ってみろよ。受け止めてみせるから。」
『いいんだな？絶対膝をつかせるから覚悟しろよ。』
丁寧にリリックを紡ぎ出すと俺のスピーカーがキラキラ輝きだした。マイクもうっすらと光っているように見える。こんな感じなのか、神々しいな。一郎くんが攻撃を受け止める体制になる。そしてリリックが紡ぎ終わった。これが今の俺の最大火力だ。さあ、喰らえ。
攻撃は雷撃となり爆音が響き渡る。一郎くんはぶっ飛ばされることは無かったが、頭を抱えて倒れないように歯を食いしばっている。あと一撃で…そう思ったその時、急に力が抜けて前のめりに倒れ込んだ。バトルを見ていた弟2人が受け止めてくれたから激突はしなかったが、マイクも持てないぐらいに疲れ切っている、よくここまで耐えたな俺。お互いほぼ限界ということで今日の特訓はここまでとなった。あしたも頑張るか。

2日目やでー！この兄弟可愛すぎか？→←よし、それじゃあ明日から……

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