にわかだけど、ヒプマイの世界に転生しました【男主】

よし、それじゃあ明日から…… ページ18

用意してくれた服を着てリビング的な場所に全員集合した。うん気まずい。さっきまでの団欒は何処へやら。声を出すのも躊躇う程の静寂が部屋を包んでいた。
『…なんか、汚いもん見せてごめんな。』
三郎「汚くなんてないですよ！！その傷がAさんが生きるためについたものでも違くても汚いとは思いません！！！」
三郎くんが涙目で訴える。2人も悲しそうな顔をしている。胸が痛い。
一郎「それはいつできたものなんだ？…嫌なら話さなくても大丈夫だからな。」
『…正直に言うと、傷がいつできたものかは分からない。気が付いたらどっかの路地裏に倒れていて、体にはこの傷跡があったんだ。』
3人とも真剣に聞いてくれている、泣けるぐらい優しい。そうだ、ついでにイケブクロに来た理由も一緒に説明しよう。
『家も家族もない中彷徨っていたら、俺を拾ってくれた人達がいたんだ。その人達は大変な仕事をしているのに、住む場所を与えてくれて、俺を保護するって言ってくれたんだ…だからこそ、守ってもらうだけじゃいけない。そう思って強くなるためにイケブクロに来たんだ。ここで強くなって、少しでも力になりたい。そうしてラップバトルしていたら、ダメージが溜まっていたみたいで…途中で倒れて、目を覚ました。』
言い方を変えた箇所はあるけど、強くなってMTCの皆さんの力になりたいというのは本心だ。勉強を教えてもらうためにイケブクロに来たけどいっぱい世話になったし、そもそも転生して国籍ない俺は普通に働けないからな、生きる為にはラップバトルが強くないといけない。スキルはチートだけどスキルを封印するラップをする敵が現れるかもしれないし。あと、かっこいいラップを披露してキャーキャー言われたいという願望が3割ほど。
取り敢えず、お泊まりが終わったら色んなラッパーにバトルを申し込んで特訓しよう、依頼する用だった金を使えばホテルとか使えるし。話が終わり部屋に静寂が戻る。少しして、一郎くんが口を開いた。
一郎「それ、俺たちに協力させてくれないか？」
『えっ、あっじゃあ依頼料っていくらぐらい…』
一郎「払わなくていい、仕事としてではなく友達として手伝いたいからな。」
『…いいのか？悪いやつかもしれないぞ？』
二郎「にいちゃんが言うなら大丈夫だよ！それにAの話聞くといい人そうだし！」
三郎「ラップバトルなら僕たち慣れていますし、無理してまた倒れたら危ないですしね。」
『…うん、ありがとう。』

明日から山田家で特訓開始だな。

特訓開始だ！→←転生者の特権...なのか？

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