Cinderella.55 ページ19
『ん…あたし…』
目が覚めれば、相変わらず機材室
あたしって人間なのか疑うけど、どうやら丸まって眠ったから体温が少しあがったらしい
よく生きてたな。
『あ…何時…？行かなきゃ…』
スマホはつかないし、時計がないから確認が出来ない
早くここから出ないと。
"嬢ちゃん知っておるかえ？機材室のドアノブはの！我輩が昔壊した事があるんじゃ！"
"え、なんですか急に…てか誰ですか貴方"
"うむ…ちょっと冷たいのお…我輩は朔間零。今言ったこと、覚えておいた方が良いぞ♪"
『…ん？えっ、そーいえば、朔間のお兄さんあんなこと言って…たよね!?』
驚きで徐々に覚醒していく体
腕に力を入れれば、起き上がることが出来た
『1度壊れてるってこと…は…脆くなってるの…?だったら叩き壊せるんじゃ…』
なんて言うけれど、あいにくあたしはどこぞの強いヒロインじゃないので固くてぶつけても良さそうなものを探した
『……これだ。』
小さなダンボールを漁れば、中には工具
もちろん、トンカチがご丁寧に入ってるもんだからこれしかないと思った
『…ﾌｯ…!!』
ふらつく体でトンカチを振れば鈍い音を立てて落ちるドアノブ
いや、まじか。そんな御都合主義でいいのか。
なんだかアンナが可哀想に思えてきたんだけど…
ドア越しに逆側のドアノブも落ちる音がした
上手すぎ
優しく扉を押せば、ｷｨｨ…とゆっくり開いた
『…いかなきゃ…』
寒さと不安で震えて冷えきった体に鞭を打ち、あたしはフラフラと走り出す
頭がぼーっとするし、走る振動で体が痛いし、もう最悪
ちらっと廊下の時計を見れば、針はライブ開始５分前を指していた
『あと少し…!』
会場が学院内にあるだけ本当に助かる
『きゃっ!?』
「なんだっ!?」
不意に、曲がり角で誰かと衝突した
「度し難い…って貴様！今の今までどこに行っていたんだ！みんな心配を…冷たいな…顔色も良くない。何があった、話せ。」
これまた最悪なことに相手は蓮巳先輩だった
ただ、みんなは心配してると言った。
5分前にもなってMCが来なければそりゃ当然か
『話したら先輩、仕事をさせてくれないでしょ…？お願いします、会場まで連れてって…』
「お前の仕事は転校生が代わりにすることが決まった。いいから保健室に…」
『冗談じゃない…!それはあたしの仕事です…!』
服を掴んだら蓮巳先輩はグッと息を飲み、後で保健室に行くという条件付きで肩を支えてくれた。
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さゆな(プロフ) - 空麦さん» ありがとうございます！と言いつつ続編また出来ちゃいました...笑 これからもよろしくお願いします！ (2019年6月25日 23時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
空麦 - 元、麦ちゃんです♪続編おめでとうございます!!本当に、面白いです♪これからも、頑張ってください。応援してます！ (2019年6月24日 20時) (レス) id: ad939e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - 零さん尊いさん» ひええ！ありがとうございます！そろそろ終盤なんですー！頑張りまっす！ (2019年6月20日 20時) (レス) id: a613cbb65f (このIDを非表示/違反報告)
零さん尊い - 続きが気になります！無理をしない程度で頑張ってください！ (2019年6月18日 23時) (レス) id: f191d1a880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さゆな | 作成日時：2019年6月17日 16時
