先輩×後輩=(？)【朔間凛月】 (ページ15)

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お兄ちゃんから｢禁止令｣を出されて4日経った

昼休みの日課になっていたはずの2-B訪問はしていない。あーあ、皆勤賞取るはずだったのに。

｢おや？今日は凛月先輩のclass roomには行かれないのですね？lessonもお休みだと言うのに。｣

『うん、ちょっと色々あってね。』

放課後を知らせるチャイムが鳴り響き、担任は教室を出ていく。
ざわつき始めた頃、隣の席の司が怪訝そうに首をかしげた

｢では今日は私に付き合ってくれますか？よき理解者は貴方しか居ないので。｣

『なんの話？』

そう言って私の返事を聞かず司は手を取りイソイソと早歩きで教室を出た

律儀なことに、廊下は走らないらしい。

- - - - - - - - -▷◁.｡

『…で？何かと思えばスイパラですか。』

｢ええ、1度来てみたかったのです！鳴上先輩の読んでいた雑誌に載っていて興味をそそられたのですが、瀬名の監視が厳重で…｣

『そんな厳重な監視を掻い潜って堂々とスイーツ頬張るアンタは凄いよ逞しいわ』

はぁ、と溜息をつき私はテーブルに頬杖を着いた

どうせ誘うならお兄ちゃんを誘えばよかったのに。最近何だか仲がいいみたいだし、別に私じゃなくてもよかっただろうにさ。

｢そう言えばAさん、準備は着々と進んでるみたいですね？｣

『ん、まぁね～？』

｢遂にあなたも"初ライブ"をするのですね…今まで断りばかりをしてきたのでしょう？なぜ、今更？｣

『え～、せっかくアイドルしてるのにライブ回数ゼロで卒業はしたくないし？』

｢いうてまだ私たち1年生｣

『…何にせよ、今回のライブは絶対に失敗したくないの。100％の成功を収めたいわけ。だから本来なら今日は自主練するはずだったんだけどな～？』

チラリと横目で司を見れば｢うぐっ｣と喉をつまらせ、噎せた後に｢すみません…｣と謝ってくる

そんな姿が、普段兄を叱り付ける様とは別格すぎて思わず吹き出してしまった

｢な、なんですか｣

『ううん、なんでもない。たまには息抜きもいっか！ふふん、スイーツ取ってこよ～っと』

｢では私もご一緒に…！｣

『いや食べるの早すぎか』

かたん、と席から立てば目を輝かせて引っ付いてくる司
そんな彼を軽くあしらい、スイーツに目を向ける

こんな時でも頭の中では｢初ライブ｣のシミュレーションが行われている

そう、全てはあの人に告白をするため。

上手くいったらこの気持ちを伝えるためだから。

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