スキになったら負け！【Hirano.S】 (ページ39)

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#break time ページ39

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Aさんに続いて入ったお風呂から上がると、
寝室から小さな光が漏れていて、

そっと中を覗けば
俺があげた指輪をはめた右手の薬指を
大事そうに左手で握りながら

スヤスヤと規則正しい寝息をたてるAさん。

普段のしっかり者のイメージが“いい意味で”崩れてしまうほど

あどけなくて

可愛らしい。

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いつからかお揃いで着るようになったモコモコのパジャマからは、

本人は太いからヤダって言ってる
モチモチの太ももがちらり。

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触りたくなる欲望を押し殺して

ゴロンととなりに横になると

「……しょ、くん。」

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夢でも見てるのか
口元を緩ませて俺の名前を呼ぶから

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肘を立てて横をむくと、
子供みたいな寝顔をまじまじと見てやる。

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思えば、
こんなにじっくりAさんの顔を見ることって
意外とないのかも…

なんてプチ発見。

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「…こんなとこにほくろあったんや笑」

すっぴんの肌に
起こさないようにそーっと掌を添えると、
化粧に隠れていた小さなほくろをみつけて

なんだかAさんの秘密を知ったみたいに嬉しくなる。

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「んん……」

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頰に添えられた手に気付いたのか

「…ん？」

寝ぼけ眼のAさんの視線が宙を舞い、
やがて俺を見つけると

「…紫耀くんだ」

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嬉しそうに微笑むから。

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「ふはは、そうだよ」

まだ寝ぼけてんだろうなーって思いながら

「おやすみ、Aさん」

そっと髪を撫でてあげると
また目を閉じた。