スキになったら負け！【Hirano.S】 (ページ12)

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episode12 ページ12

突然うちに寄ったのは
地方での仕事帰り、２時間だけ空いて
また次の仕事へ向かうための時間潰しだったらしく

「俺先に入るわ」

交代でシャワーを浴びると言い出した2人。

先に紫耀くんがバスルームに消えて
リビングでジンくんと2人になる。

・

なんだか気まずいな、

そう思ったのは一瞬で

「2人の時の紫耀ってどうなの？」

「家でもやっぱあのまんま？天然炸裂？」

・

共通の話題ってなると紫耀くんのことばかりになってしまうけど

普段うちでは見られない
メンバーといる時、アイドルしてる時の紫耀くんのことが聞けて
意外と話が盛り上がって

「なんかめっちゃ楽しそうやん。」

・

いつのまにかシャワーを浴び終えた彼の
そんな声が聞こえた時には

ジンくんとすっかり打ち解けていた。

・

「紫耀、Aさんすげーおもしれぇな！」

無意識か、わざとか
私とジンくんのあいだにドスンと腰を下ろした紫耀くんは

そんなジンくんの言葉を受け流すように

「早くジンもシャワー浴びてこいよ」

ジンくんにタオルを投げた。

・

紫耀くんの異変に気付いたジンくんは
「はいはい、すいません(笑)」

紫耀くんに見えないように私にベーって舌を出してリビングを出て行く。

・

・

今度は紫耀くんと2人きり……

それはまぁいつものことなんだけど

・

「……しょーくん？」

バスタオルで髪を乱雑に拭いている彼は……

……明らかに拗ねている。