スキになったら負け！【Hirano.S】 (ページ13)

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episode13 ページ13

「紫耀くーん？」

口が尖ってる。

頰が膨らんでる。

・

本当にわかりやすく拗ねてるのが
可愛くて

・

・

「しーくん？」

高確率で怒られる
その呼び方で呼べば

「…ジンと楽しそうだった」

ちらりと丸い目が私をみて、
またサッと下を向く。

これだけかっこよくて、優しくて、可愛いのに、
何故かこう言う時は自信がなくて

すぐヤキモチ妬くけど
素直にヤキモチ妬いたとは決して言わない

・

「大丈夫だよ、紫耀くんが1番だから」

素直に伝えて、
彼の手からタオルを受け取って後ろに座ると
まだ雫の滴る髪を拭いてあげる。

そしたら

「俺もAさんがいちばん！」

あっという間にご機嫌になって

・

・

「ねぇ、Aさんキスしてもいい？」

尻尾を振った犬みたいに私を振り返ると

「ジンくん来てるのに？」

「まだシャワーの音するから平気」

「……でもいつ出てくるかわからないし」

「大丈夫だって」

温かい唇が
優しく触れる。

・

・

軽く触れるだけかと思ったら
それは次第に甘く、深くなって

「んっ」

唇が離れたら

お互いの視線が熱く絡む。

その空気がくすぐったくて
思わず2人で笑いあうと、

目の前の紫耀くんは急に困った顔して

「やばい！こんな顔のAさん、ジンに見せられない！」

両手で私の顔を覆った。