スキになったら負け！【Hirano.S】 (ページ11)

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episode11 ページ11

ある土曜日、
お昼過ぎにお家でのんびりしていると
昨日から泊まり込みで地方へ行っていた紫耀くんからLINE。

shoAさん今家にいる?

それは唐突で

Aいるよー

そう返事をすれば

shoジンがうちに来るって言うんだけどいい?

驚く返事が返ってくる。

紫耀くんと付き合い始めてもう長く経つけれど、
私がいる時間に家にメンバーを連れてくることなんてなかったから

少しびっくりしながらも、

Aじんくん?!わかった!片付けとく!

慌ててテーブルの上を片付ける。

紫耀くんも、アイドルなんだけど
彼がアイドルだと知る前に知り合ってしまったので

［この人はアイドル！］と思ってからジンくんに会うのはなんだか緊張する。

勝手にジンくんと呼んでいるのも
紫耀くんがよく「ジンが～」とか「ジンと～」とか
楽しそうに話すからであって

私が馴れ馴れしく呼んでいいのだろうか…

・

ラグマットをコロコロして
フローリングはお掃除シートでささっと拭いた
勝手に借りてる紫耀くんのブランケットを畳んでソファにかけたところで

ガチャガチャと鍵をかける音がして

「ただいまー」

っていういつもの紫耀くんの声と、

「お邪魔します」

聞き馴染みのない声。

・

かぶっていたハットを外して

「突然お邪魔してすいません、神宮寺勇太です。」

礼儀正しく私にお辞儀するジンくん。

紫耀くんとはまたタイプの違うイケメンで

やっぱ、さすが

…カッコいい。

・

・

「あっ、Aです。紫耀くんがいつもお世話になってます」

見惚れてしまっていた自分にハッとして
挨拶をしたら

「いやいや、俺の方が紫耀のお世話になってますよ(笑)」

そう言って笑ってくれたジンくんの後ろで

なぜか目を細めてる紫耀くんがいた。