やばい ページ4
Aをおんぶして俺は歩き始める。
「ごめんね?重いでしょ?」
「そんなことないよ。部活で男おんぶして走ってるくらいだから。」
Aは笑いながら
「一也はすごいなぁ」
とつぶやいた。
「え?」
「ちゃんとキャプテンとしても頑張りながら自分の練習もきちんとやってすごいなぁって思って。」
「いきなりどうしたんだよ?」
「私さ不器用だから皆まとめながら自分の事ってのが出来なくってさ。本当に私がキャプテンでよかったのかな……」
落ち込むAにどんな言葉をかけていいか分からなかった。
でも一つだけ言えることがあった。
それを伝えることにした。
「俺さ思うんだけど」
首を傾げるAの方を見ないようにしながら続ける。
「A頑張ってるの思うよ。1年からレギュラーで。試合中皆に頑張ろうって声掛けてんのとか誰だよ?お前だろ?そーいう所が認められたんじゃねぇの?」
少し恥ずかしくなってきた。
でも続ける。
「だから焦らずに皆と頑張ればいいんじゃね?俺はそーやって皆と頑張るAのこといいと思うよ。」
ああああああああ!!言ってしまった…
好きとまでは言ってないけどすっげえ恥ずかしいこと言った…
そー思っていると後ろで鼻を啜る音が聞こえてきた。
「ありがとぉ一也ありがとぉ」
そー言いながら泣くAをたまには泣かせてやろうと思いそっとしておくことにした。
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作者名:睡眠不足 | 作成日時:2017年1月22日 0時