11年目の正直 (ページ2)

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出会いは思い出にページ2

俺がAに出会ってもう11年だ。

はやいなぁと自分でも思う。

今日は高校3年の始業式。

新しい教室で1人始まりのチャイムを待っていた。

「まーたお前と同じクラスかよ」

不意に聞き覚えのある声後ろからする。

「なんだ倉持か。それはこっちのセリフ。」

そんな俺の言葉を無視して倉持は続ける。

「よかったな。今年もAと一緒で(ﾆﾔﾆﾔ」

そうだ。今年もAと一緒なんだ。

驚くことに高校に入って俺とAはずっと一緒のクラスだ。

そしてそれは倉持も。

倉持は俺がAに恋心を抱いてんのに気づいてやがる。

何かある度に冷やかしてくる。めんどくさいw

そんな思考に浸っていると

「おはよ～今年も一緒やね!笑
ここまで一緒だとすごいよね笑」

という声が横から聞こえてきた。

Aだ。

それだけで俺は顔が綻ぶ。

「ホントだな笑」

笑いながら俺は答える。

「2人ともまた1年間よろしくね^^」

「よろしくな^^」

倉持と二人揃って答える。

そこでチャイムがなった。

Aは手を振り席に戻っていく。

今日はもう話す機会が無さそうだ。

チャイムを恨みながら俺は前を向いた。