【歌い手】君と僕の18の約束【まふまふ】

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うん。ほんとに嬉しい。彼女に歌を褒めてもらえるなんてこんな嬉しいことは無い。……のに、なんでちょっとがっかりしてるんだろう…。


「ぁ…、それと、相談があって…」
「？相談？」
「……家を、探してて。わたしがこのままここに居続けるのはそらるさんとAちゃんに申し訳なくて…」


物件探しをしていると言う彼女。きっとそらるさんにもAちゃんにも言えていない相談。第三者の僕だから出来る相談。他人より近く、二人より遠い存在の僕だから選ばれた内容だ。

……そうだよ。告白なんて、あるわけない。


「なら、僕のところにおいでよ。部屋がひとつ余ってて、困ってた所だから」


出来るだけ笑顔を作って提案した。きっかけなんて何でも良かった。ただ、これ以上君と離れてしまいそうなのが嫌で、僕の、ぼくのわがまま。


「でも…」
「とりあえず、僕のところに来て物件を探すのでもいいんじゃないかな？」


ちょっとの欲と、頼って欲しい思いと、
君に選ばれたいっていうわがまま。


「…返事は今じゃなくても…！」
「…なら、……お願いします、」

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