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まふまふさんのご迷惑にならなければ、よろしくお願いいたします。礼儀正しく頭を下げる彼女。ふわりと形だけ笑った笑顔が綺麗で少し見惚れる。
「あ、そらるさんとAちゃんにはその……、わたしが行きたいってわがままを言ったことにしてもいいですか?」
「え、あっ、あ、いいですよ」
嘘でもそらるさん達にそんな大胆な事を報告するのかとちょっと動揺してしまった自分がいる。でも彼女からしたら、二人の時間を邪魔した自分は早く消えるねと言ってるみたいで、複雑だ。
「良かった……。やっぱりまふまふさんに相談して、良かった…」
「!」
ああ、ほら。期待しちゃう自分が嫌になる。曖昧な優しさほど苦しいものなんてない。嬉しいのに、苦しくて泣きそうだ。
「二人には内緒にしてくださいね」
「うん。約束するよ」
そらるさんの家で流行っている『指切り』。君との初めての約束は冷たい指先の温度と似ていて、温もりなんてなかった気がする。
『指切った』
その歌詞が聞こえるまで結んだ小指。
ね、あの時君は、僕のことどう思ってくれてたのかな。
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しらたま(プロフ) - ほわっと心が温まるような雰囲気のお話ですね。ここからの展開が気になります!応援しています。 (2020年11月17日 4時) (レス) id: 01565d18e6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃@みかん教 - この作品すごく好きです! 何て言うか、雰囲気がいい……! もう本当に、とにかく、大好きです! 応援してます、頑張ってください! (2020年10月26日 20時) (レス) id: c902bbcb86 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - じんわりと心が温まる作品でした…!指切りの最後を針千本飲ます、ではない言葉に言い換える優しさにぐっときました。 この後の展開もとても気になります!これからも頑張ってください!応援しています! (2020年10月24日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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