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貴『!!やばっ…!』
そう思った時には転けてしまい、咄嗟に受身をとってまた走ろうとしたものの、
男性に腕を掴まれた事で何もすることが出来なかった。
天「はぁ…はぁ……手こずらせんじゃないよ…」
貴『(ビクッ!)』
驚いて男性の顔を見てしまった瞬間、心の底から後悔した。
それは、今までに見たことのないくらい酷く憎いものを見る目だった。
ーー
息を盛大に切らしながら地べたに座り込む私と、
腕を掴んだまま乱れた呼吸を整えるしゃがむ男性の絵面は他人の目にどう映るのか。
貴『(この人達のせいで、私のこれからの生活をぶち壊しにされる)』
そう思うと怒りがふつふつと湧いてくると同時に、現在自分が置かれている状況を理解し始めた。
なぜまふくんはあんな状態になったのだろう?なぜ私だと分からなかったの?
…たらい回しにされた私を匿う人がまふくんしかいなくて断るに断りきれず、ここまで大きな芝居をしたのか?
色々な感情が入り交じっては溢れてしまい、涙が次々と出てきた。
貴『はぁはぁっ、うっ…ふぅ、うぅっ…ゲホッゲホッ、うっ…』
天「なんで君が泣くの」
貴『じゃあ、どうしたら信じてくれるんですか…!』
天「だから通用しないって」
頑張って息を整える。これじゃ泣いてばかりでは何も始まらない。
貴『何をそんなに疑っているのか知りませんが、あの大きい荷物が視界に入っていたとしてもまだそれを言いますか!』
天「随分と上からな物言いだね。それに嘘話ばっかり。君、自分の立場分かってる?」
貴『じゃあ、あなたの思っているその嘘話とやらを全部言わせてくださいよ』
天「どうぞ。」
貴『私は真冬くんがいないと、これから生きていけないんですよ。
両親は昨日から長期の海外出張に行っていて、私は日本に残りたいとわがままを言いい、
私を置いてはくれないかと各家に説明するものの親戚中をたらい回しにされて、
最後に行き着いたのは真冬くんだったんです!
保護者不在である今、未成年の私に問題が起こったら全てを被るのは真冬くんですし、
また別の問題も起こるなんてなったら厄介なんです。
なぜあなたが私を追ってきたかも、警察を呼ぶと言い出したかも何も分かりませんが、
私から真冬くんを離すのならば、
両親が日本に帰ってくるまでのホテル代に食事代諸々、全てのお金を出してくれるんですか?!』
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れー - めちゃくちゃおもしろいです! (2020年8月9日 16時) (レス) id: 8ab926093f (このIDを非表示/違反報告)
シュガ~ソルト(プロフ) - 柴イヌさん» 偉そうに言える立場ではありませんがぜひ...待っているというお言葉がきけて嬉しい限りです(T_T) (2020年5月21日 5時) (レス) id: eb4905d3d3 (このIDを非表示/違反報告)
シュガ~ソルト(プロフ) - 柚柚さん» そう言っていただけて本当にありがたい限りです、本当にありがとうございます(/ _ ; ) (2020年5月21日 5時) (レス) id: eb4905d3d3 (このIDを非表示/違反報告)
シュガ~ソルト(プロフ) - 四季?゚?.゚?さん» こちらのワガママですみません、、、そしてありがとうございます( ; ; ) (2020年5月21日 5時) (レス) id: eb4905d3d3 (このIDを非表示/違反報告)
柴イヌ - そうなんですか。多分自分はソルトさんよりも年下で学生です。是非ソルトさんのアドバイスを参考にさしてもらいます。ありがとうございます。ソルトさんの作品大好きなのでこんな奴で良ければいつでも待ってます!!無理をせずソルトさんのペースで頑張って下さい! (2020年5月20日 15時) (レス) id: 525b615957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュガ~ソルト | 作成日時:2020年3月19日 18時