一四七試合目:小ネタ洋一編 ページ8
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第一話パパ似
(前話続き)
青い顔してリビングに入ってくる洋一。そして潔く小湊さんの前で土下座。
突然のことに私も夏も驚く。
「すみませんでした!亮さんが来るって知ってたのに、夏を寝かしつけたらつい…」
「別に気にしてないよ」
「へ?」
「気にしてないから、顔あげなよ」
「あ、ありがとうございます。亮さん」
許して貰ったことにホッとしたのも束の間。夏がグルグル洋一の回りを回って、ジロジロ見ている。その様子に眉間に皺を寄せていると夏が言った。
「秀くん?」
「へ?」
本日二度目の「へ?」今までの経緯を知らない洋一は夏の発言にキョトンとする。
「あれ、パパで」
と小湊さんの腕で大人しくする秀一を指差して、
「こっちが秀くん。でしょ?」
洋一を差し首を傾げる。完全にパニック状態の洋一は夏と小湊さんとを交互に見遣る。
「いや、どう見ても俺がパパ…」
「そうだよ。パパと秀一の魂が変わっちゃったから」
洋一の声に被るように小湊さんが言う。
「じゃないと俺が連絡したのに奥さんにも伝えず、俺が来る時間に寝てる訳ないじゃん。きっと赤ちゃんだったから奥さんに伝えられなかったんだよ。それに赤ちゃん倉持はちゃんと俺を出迎えてくれたしね」
グサグサと小湊さんの言葉が洋一に突き刺さる。洋一は正座し直すと床に額をくっつけるくらい深々と頭を下げた。
「本当に申し訳御座いませんでした」
「倉持苛めたらすっきりした」
小湊さんは怒らせないでおこうと心に誓った。
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第二話そろそろ…
「そろそろ車検なんだよな」
寝室で寝る準備をしていると、先にベッドに寝転がった洋一が呟いた。車検のお知らせの葉書が来ていた事を思い出し、あぁっと声を発する。
「私が持って行くよ」
化粧水をしっかり顔に馴染ませ言う。だが洋一から返事がない。
「でもあれ中古なんだよなぁ…」
あれは確か洋一が一軍に定着しそうな時期に買った物。中古と言っても言われなきゃ分からないくらい綺麗で、難点はエンジン音がちょっとうるさいくらい。
「年俸もアップしたし」
いかにも車を新車にしたいんだけど、と言いたい雰囲気。私はちょっと冷たい視線を送る。
「モチベーションアップに繫がるし」
「…」
「そろそろ…」
「車を買うなら約束の結婚式もさぞ豪華にやるんでしょうね」
「…ま、三人目出来た訳でもないし。Aも運転しやすい軽自動車のままで良いよな。うん、それがいい」
まだ私の方が1枚上手ね。
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豆腐戦士(プロフ) - shinox2さん» 秀一大きくなりました(笑)ズリバイしてハイハイしてつかまり立ちして歩くようになるんですね…。そう考えると何だか寂しくなってきました。秀一の成長はゆっくり書こう(*´ω`*) (2017年4月13日 0時) (レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - やだ〜♪秀ちゃん大きくなったのね〜って、親戚のおばちゃん気分でした。これからズリバイとか始めると可愛いですよ。うちの子はなぜか前進せず後退してました。えりさん同様懐かしいです(^-^) (2017年4月11日 17時) (レス) id: 2f52f37027 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐戦士(プロフ) - えりさん» えりさん、お久しぶりです( ´艸`)寝返り打てなくて怒ってる!可愛い!ってなって書きました。親戚の子の話なんですけどね(笑)私の作品でお子さんの小さい頃を思い出して頂いて嬉しいです。常に子育ての良いとこ、悪いとこと書いていこうと思ってます! (2017年4月11日 16時) (レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)
えり - 中2なった娘と口喧嘩する様になったりして疲れた時豆腐戦士さんの夏ちゃんや秀くんみてて小さい時思い出させてもらってますょ。ありがとうって伝えたくて…。 (2017年4月10日 21時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
えり - お久しぶりです☆* 夏ちゃんすっかりお姉ちゃんなって…( ; ; )←どこのオバちゃんやw 娘も寝返り壁際で動けんなってブゥブゥ怒ってました(笑)懐かしいです。 (2017年4月10日 21時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆腐戦士 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年12月10日 14時