いちごとすずらんが咲く頃に

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私は今、帰る支度をコソコソとしている。

頼むから、誰も気づかないでもらいたい。


莉｢Aちゃーん！この後るぅとくんと3人でカラオケ行こうよー！｣
私｢り、莉犬くーんっ！しーっ…｣

口に手を当て周りをキョロキョロするがピンクの頭は見当たらない。


私｢ふぅ…、ごめんね莉犬くん、今日誰にも見つからずに帰らなきゃいけな｣
さ｢Aちゃーん？そろそろ終わったかなー？俺まちくたびれちゃったよー。｣
私｢ひっ｣

どこから出てきたんだこの人。

無事確保されてしまったからにはもうどうしようも出来ない。
弱みにつけ込むなんて酷い、セクハラ先輩。

莉｢でもAちゃんこれから帰んなきゃ行けないんだよね？｣
私｢ごめん、莉犬くん。それ忘れて…。い、行きましょうか、パワ…さとみ先輩。｣


今度カラオケいこうね莉犬くん…。
そう言って鼻をすすりながら先輩に手を引かれてオフィスを出た。
ぐすん。

＿＿


会社を出て2人で歩く。
どこかに向かっているんだけど一向に行先は教えてくれないさとみ先輩。


私｢先輩、どこに向かってるんですか？｣
さ｢………ぃがかん｣


声ちっさくない？！
いつもあんなにうるさいのに声ちっさくない？？

私｢先輩、なんにも聞き取れませんでした。｣
さ｢…あーもうっ！！

え！い！が！か！んっ！！｣



え ・ い ・ が ・ か ・ ん
…………………………映画館(^人^)


？

まるでデートじゃないか。

なんで私がさとみ先輩と映画館デートしなきゃいけないんだ。


私｢先輩、私と何見るつもりですか？｣
さ｢怖いやつ｣
私｢私ホラー耐性めちゃめちゃ強いですよ。｣
さ｢じゃあ俺が見たいやつ付き合えよ。｣

なんで上から目線なんだか。
先輩が何したいのか全くわかんない。

私に嫌がらせがしたいのか、それとも私と仲良くしようとしてくれてるのか。

前者な気しかしないけど、そんなこと思って先輩の事をジト目で見上げてれば、


さ｢俺さ、変だよね？｣

いやいや、気づいてたんかーい！

私｢めちゃめちゃ変ですよ。｣

あ、待って、先輩めちゃめちゃ落ち込んでる。
お、オーラが、、、いつものオラオラのオーラがしゅんってしてる。

＿人人人人人人＿ 
＞オラオラのオーラ＜ 
￣^Y^Y^Y^Y^Y￣

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