6 緑色のネクタイ ページ6
目を開けるとそこには
殺伐とした光景が広がっていた。
時計に目をやると
午前2時20分である。
酔い潰れた兄たちが部屋中に転がっている。
まさに死屍累々。屍山血河。
私はというと、頭を卓袱台にのせて
腕に焼酎の瓶を抱えたまま眠っていたようだ。
…ん?
両手に違和感を感じて、見ると
何故か緑色のネクタイでガッチガチに
かためられ、縛られていた。
何故だ。
私は思考を確かめるために、
記憶を整理した。
…そうだ確か、おそ松兄さんに
兄さんと呼べとかなんとか言われたんだった。
年齢は私の方がひとつ下だったし、
住まわせてもらう身で反抗はできず、
他の兄たちも兄さんと呼ぶことになったのだ。
そしてそれから、私の歓迎会をやると言って
歓迎会という名の酒盛りが始まったのだった。
それからの記憶はない。
…え、ちょっと待て、
このネクタイ誰の!!?
全ッ然記憶にないんだけどおお!?
早くほどかなければまずい。
もしこの姿を誰かに見られたら、
もう死ぬしかない。そうだ死のう。
とりあえず力任せにやってみるが、
びくともしない。
仕方がないので、口で引っ張ってみる。
なにこれ、なんで全然取れないの!?
「…え、あんたなにやってんの」
「!!?!?」
襖の方を振り返ると、
一松兄さんが立っていた。
風呂から出てきたのか、
パジャマ姿で首にタオルをかけ、
顔がほんのり赤らんでいる。
慌ててネクタイから口を離す。
「や、えっと、これはその…」
顔がカッと熱くなるのを感じ、
一気に嫌な汗が噴き出した。
「あっ、そうだこれほどいて!
全然取れないんだけど…」
「…」
すると驚いた顔で立っていた一松兄さんは、
スッといつもの覇気のない顔に戻り
無言で私を見下ろした。
頼む、早くこれをどうにかしてくれ。
一松兄さんは、
おもむろに私の前にしゃがんだ。
顔が近い。
「このネクタイ、チョロ松兄さんの」
「あ、ああ、そうなの…っ!?」
いきなり一松兄さんは
私の顎を掴み、クイと持ち上げた。
「チョロ松兄さんともうこんな事シたんだ。
さっすが手が早いねえ。この淫乱が」
ん?
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もっちゃん(プロフ) - みかんたべたいさん» コメントありがとうございます!お返事遅くなってすみません!嬉しいです♪更新は不定期で本当に申し訳ないですが、頑張って少しずつ更新して行きたいと思います! (2017年3月11日 23時) (レス) id: 69ad4cda33 (このIDを非表示/違反報告)
みかんたべたい - おもしろいですね!!!これからもがんばってくださぁぁぁぁい!!! (2016年7月3日 14時) (レス) id: dd6ee1b572 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もっちゃん | 作成日時:2016年4月7日 17時