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私の推しはファンの前に出るとき
素顔に色の濃い黒色のサングラスをかけているから、
目の前の席に座る銀縁の眼鏡をかけた男性に見覚えはない。
ただどう考えても
がっしりとした背格好も、
黒がメインのカジュアルな服装も、
なでつけたような髪型も硬い黒髪に何とか染った焦茶の髪色も、
サングラスが透けた時に見えた切れ長の目も、
私の知ってる推しそのもので頭が混乱する。
どう考えても推しに
''よく似てる人''ではなくて、
推し本人''そのもの''だった。
オフの推しをファンが見ちゃいけない気がして、なかなか顔をあげられず
目線は 開けていないおしぼりと
手をつけていない お通しをいったりきたりしてしまう。
目を伏せていても、私はこの場に居てはいけない気がしてならない。
だってこの人が女の子との出会いとか
望んでるわけが無い……！
だって困ってるもん、
第一声「え？！女の子？」だもん。
絶対飲み仲間って聞いて男の人だと思ってたパターンだ。
早く帰ろう。
見なかったことにして早く帰ろう。
これ以上推しの貴重なオフを私なんかが浪費しちゃいけない。
「女の子、苦手なんですか？
わたし帰るので…！」
「いやいやいや大丈夫だから！
来てくれたのに！俺が帰るから！」
「サシで食えと？！俺の奥さん繊細なんだから無理だって！今日奢るから！」
私が荷物をまとめて立つと、
慌ててFBさんが大きな声で止めて、急いで帽子をかぶり、
慌てて山田さんがものすごい剣幕でまくしたてる。
山田さんはとても愛妻家で、
たとえ仕事先の人間としてでも
2人きりで飲むのはとても気まずい。
特に話すこともないのが何より気まずい。
これはやっぱり私が帰るのが1番いいから大人しく帰らせて欲しい…！
そう言って誰が帰るかで、
いい大人が３分ほど立ち話を続け、
埒が明かないなと誰もが察してきた頃に
FBさんは荷物と帽子をはずして声をかけた。
「あの……1杯だけみんなで飲みますか？」
困ったように笑って席に着いた姿は
動画よりずっと落ち着いてて、
推しに会えた嬉しさとは違う刺激で
心臓がドキリと跳ねてしまった。
推しに恋するなんて、そんな欲張りなこと思っちゃいけないのに。
想定外なサプライズに驚いただけと思っていても、
胸の奥や胃が熱くなる感覚に浮かれてしまっていた。
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ひな(プロフ) - ムスメ3さん» コメントありがとうございます！Fさんの見惚れていたら文章書いてました…Fさんの魅力をもっと描写出来るようがんばります！楽しんで頂けたら幸いです。 (8月16日 0時) (
レス) id: 0763ae2bda (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - FB好きだから嬉しい (8月16日 0時) (レス) id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2023年8月4日 0時
