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しつこい*吉良ヒロト ページ36

「あっヒロト見つけた!今日こそ練習、絶対出てよねっ!」

げっ。

運悪くコイツに出くわした。
同級生で、サッカー部のマネージャーしてるやつ。
でもって、あいつらと同じお日さま園に住んでるやつ。

顔を合わる度、練習に参加しろ試合に来いだのと言う。
タツヤも大概しつこいけど、コイツ、Aも厄介だ。
俺にここまで関わってくるやつは、こいつら二人だけだ。

「うるせえな。俺は帰る。」

いつもと同じような返事をして、横を通り過ぎて昇降口へ向かう。


と思ったら、腕をパシッと掴まれた。

「ダメ。今日は絶対逃がさないんだから。
タツヤも待ってるよ。」

簡単に振り解けるかと思ったけど、意外に力は強かった。


「行かねえよ。誰も待ってねえだろ。
仮にアイツが待ってたとしても、他のやつらは俺に来てほしいなんて思ってねえだろ。」

「そんなことないよ!
みんなすごく良い人たちなの!きっと楽しいよ!
ねえ、行こ?」

そもそも、どうしてコイツは俺に関わってくるんだろうか。


「お前さ、なんでそこまで俺に関わるんだよ。」

俺がキツめにそう言っても、Aは俺の腕を離さなかった。


「…だって、好きなんだもん。
小さい頃から、ずっと好きだったの。
私はヒロトに、タツヤと、みんなと笑っててほしいの。」

意外な言葉に驚いた。
誰かが俺のことをこんな風にまっすぐ見てくれたのは、久しぶりの感覚な気がする。

ちょっとかわいいかも、なんて。

そう思った自分に気付いて、可笑しくて笑みが溢れた。


「あーわかったよ。俺の負けだ。
練習、行けばいいんだろ?」

Aはぱあっと顔を輝かせた。

「ありがとうヒロト!」
そう言いながら勢いよく飛びつかれた、

「うおっ!」

こういうのもいいか、なんて思った。

でも、なんで俺なんかのこと好いてくれたのか、いつか聞いたら、答えてくれるだろうか。

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吉良 彩愛(アヤメ) - シチュエーションは買い物デートでお願いします! (2019年11月19日 1時) (レス) id: 1fa478ff79 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ(プロフ) - 吉良 彩愛(アヤメ)さん» 返信が遅れてすみません。リクエストありがとうございます!詳細なシチュエーションなどの指定があれば助かります! (2019年11月17日 16時) (レス) id: d12c541ec5 (このIDを非表示/違反報告)
吉良 彩愛(アヤメ) - リクエストいいでしょうか?リクエストで、リ・ハオ君でお願いします! (2019年11月13日 22時) (レス) id: 1fa478ff79 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ(プロフ) - ふうふうさん» リクエストありがとうございます。時間がかかってしまいますが、必ず書きます。 (2019年10月21日 21時) (レス) id: d12c541ec5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ(プロフ) - 美紅さん» すみません。諸事情により原作を見返すことができない状況になってしまったので、リク頂いた話は書けそうにないです。申し訳ないです。 (2019年10月21日 15時) (レス) id: d12c541ec5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーすけ | 作成日時:2019年9月22日 2時

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