【文スト】観光？いえ、復讐です

二十九．美しい歌 ページ30

私は異能特務課から出て夜のヨコハマを歩く

Aちゃんの異能は理解した

ルールタビーユ君の異能は恐らく転送系の異能

アラン君はモーヌと言う異能生命体を操る

ジャン君はオンディーヌと言う異能生命体

モーリヤックは……判らない

Aちゃんは恐らく触れた人物の感情しか操れないだろう

もしも無条件だったら確実に私以外の全員から奪っていても可笑しくない

それ以外はあまり判らない

何通りか考えはあるものの……ね

にしても、元・オペラ歌手か

調べたら出てくるかな……

そう思って携帯で調べてみると、名前は出てきた

動画もある

だが、生年月日や写真は少ない

そして一番最初に出てきた事件は

「オペラ座の怪人・誘拐事件」と「殺人事件」

太「誘拐事件……」

見てみると、Aちゃんは知らぬ間に消えたらしい

世間からは消された存在という事だった

そしてオペラ座の怪人が人を殺したらしいが

だが、一部ではAちゃんが殺したと言う話もあるらしい

一時、警察もその方針で見ていたが次はAちゃんが消えた為、事件は迷宮入りしたらしい

その次に動画が出ていた

「モーツァルト・魔笛」

その演目で夜の女王のアリアを歌っていた

動画を見ると姿も写っていたし仮面をつけていた

なのに、違和感を感じない

気高い女王のような美しく高い声

太「凄い……としか云えないね」

素晴らしい、それ以外の言葉は見当たらない

そして、何よりも演目の終わった後の笑み

先刻歌っていた人物とは思えない可愛らしさ

仮面の事は忘れていた

それが彼女の実力

なのに、何故今こうなってしまったのだろう

彼女の中でジイドは、人生を狂わせるほどの存在だったのだろうか

その時、ある考えが浮かんだ

三十．戻れない→←二十八．理由

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す