Snowflake (NO/SO) 《5/20 完結》

【43】ありがとう、の言葉/N ページ43

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「…俺、分かってなかったんだ」




そう、小さく俺が呟くと、智が顔を上げた。




「いつもいつも、智が隣に居て。家事とか…そういうのやるのも、お前だって決めつけてて。
　仕事……してたんだよな。聞いた。それさえ、智は仕事しないでぐうたら過ごしてるんだって」

「………」

「俺は、智を見失ってた。智は、俺を大切にしてくれてた。だから、働いてくれてた。」




ごめん、




俺はそう言って、深く頭を下げた。


…無言が俺に鋭く突き刺さる。



やっぱり……ダメなのか？


いや…普通に考えてダメだろう。



俺だったら。


勝手に勘違いされて、挙句の果てにはその人にあげようとしたプレゼントをゴミ箱に突っ込まれて家から追い出されて……


そんなことされたら許せない。




あー…やべ…



視界が滲んでくるのが分かった。




かっこわりぃ……俺。




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ふわりと



熱い何かに



包まれた。




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「……ありがとう。ありがとう、和」

「は……？」

「ありがとう……。俺……こうやって、和が傍に居てくれて……迎えに来てくれて。
　全部知ってくれて……幸せだよ？」




は……？



なんだ……コイツ……




「さ……と……」

「でも…っ……おれっだって……こっわかった……」



抱きしめられていて、お互いに顔は見えない。


でも、泣いているのが、肩の揺れで伝わってきた。




「かずが……っ……もう……おれのっことを…見てくれないんじゃないいかって……」




だから…！

これからは……俺を見て…？




そう、智は言った。




「……バカ……っ……お前……優しすぎるんだよ……っ」




でも……そんなお前を愛してる……




そう、肩越しに呟くと、



俺を抱きしめる智の腕が、



震えた気が、した。

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