Snowflake (NO/SO) 《5/20 完結》

【39】飛び込む/O ページ39

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「……もうちょっと寝る？」




そう、身体を起こした俺の背中を、そっと摩りながら優しく言う相葉ちゃん。

なぜか、その優しさに涙が零れそうになる。




なんで、背中を摩ってくれるのが和じゃないの？

どうして和は傍に居てくれないの？





考えれば考えるほど、不安になってくる。


今、隣に居てくれる相葉ちゃんに申し訳ない気持ちで一杯になる。




でも、今目を閉じると、もっと暗い気持ちになってしまいそうで。

もっと、考えてしまいそうで。




ふるふると首を横に振って、”寝ない”という意思を表示する。

すると、そっか、と笑い、相葉ちゃんは




「じゃあ、お粥でも食べようか？少しなら食べれそう？」

「…ん」




今度は縦に首を振ると、また相葉ちゃんは嬉しそうに笑い立ち上がる。



…そういえば、なんで俺………てかここどこ？


今更な質問に、自分がばからしくなってきた。




「…相葉、ちゃん……ここ…」

「あー、ここ俺んち！おーちゃん、公園で倒れてたの。雪かぶって」

「倒れて……」




また、悲しくなってきた。


俺は、相葉ちゃんの後を追って、立ち上がる。




すると、




ピンポーン




来客を知らせるチャイムが部屋に響き渡る。





「ごめーん！おーちゃん、今火使ってて手が離せない！
　出てーー！！」

「は…？」




なんで俺が出るの？しかも一応病人なんだけど…。


まあ、体は思いのほか軽くなってるし、１日泊めてもらったお礼……って思えばいいか。




少し咳き込みながら、扉へと向かう。



.




扉を開けたと同時に、


君の肩越しに見えた白い雪。



そして吹き込む寒気。



それと連れ立って君の香り。




.




「……さ、とし…」

「……和…っ」




お互いに名前を呼ぶのと同時に



和は


俺に飛びついてきた。

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