【14】Cat's-eye/O ページ14
.
それは、
和も同じ。
俺は、和を笑顔にしたい。
…もうすぐ、クリスマス。
だから、クリスマスプレゼントとして……俺がデザインしたネックレスを、あげたいと思った。
そこで、仕事のことを話すんだ。
でも、俺が彼にあげたい、そう考えた宝石……”Cat's-eye”はとても、今の貯金で買えるほどのものじゃなかった。
40万近くするソレ。
でも、キャッツアイは……和にそっくりだから。
どうしても、プレゼントしたい、そう思った。
だから、分割で、お金は翔くんに渡して……、俺の給料も、全部そっちに回してもらった。
それでも足りなくて、和には本当に申し訳ないと思ったけど、昼食代から少し抜かせてもらった。
本当に申し訳なくて……。その分、最近夕食は食べてない。
食費が浮けばいいな。
そう思って。
このままじゃ、まじで金食い虫だったから…。
……今日の分と、
明日、1万渡すことが出来れば……。
40万、払い終わる…。
「ごめん……今回少ないけど」
「ううん。全然大丈夫」
俺が、何枚かの札を彼に手渡すと、彼も嬉しそうに俺を見てくれた。
「よし…。ねえ、智くん。後1万だけどさ。
それは俺に払わせてよ」
「え……?なんで?」
「餞別。……ってなんかおかしいか(笑)
なんだろ、ボーナス?的な!
いつも、ありがとう!みたいな!」
ふふっ、何ソレ……と俺が笑うと、恥ずかしそうに照れて頭をかく君。
嬉しいけど…
「……じゃあ、今は立て替えてもらってもいい?
絶対、返すから」
「え……、いいよ、払うから」
「俺がヤなの。ね?お願い」
「………分かった。
…ねぇ」
翔くんの、大きな手が俺の頬に触れた。
「…あんた、熱あるでしょ…。自分で分かってない?
さっきから震えてるし……目も潤んでる。頬も赤いよ」
「え……まじ?(笑)」
「まじ。早く家帰って寝な?
あ……、ごめん、そんなこと言っておいて申し訳ないんだけど……
1つ、依頼が入ってる」
「ん?どれ…?」
”クオーツ・ネックレス”
そう書かれたメモ帳。
「…ぅん。分かった。いつまで?」
「いつでもいいよ。智くん、疲れてるみたいだし」
「…じゃあ、明後日には仕上げるね。出来たら連絡する」
それだけ言って。俺は、キャッツ・アイの仕上がりに胸を躍らせながら、帰路を急いだ。
223人がお気に入り
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
arashi_yama1017(プロフ) - SOって後半書いてたのでこれは付き合うんじゃないかと思ってましたが違ったみたいですね。たいていCPが2つある時後半とくっつくと思っていました、後完全なる翔くんの片思いじゃないですか?すいません。山しか呼ばないもんで。 (2016年8月16日 3時) (レス) id: b2b1bc4496 (このIDを非表示/違反報告)
まゆか - すごく、感動しました!泣けました!このような、素敵な作品を作っていただいて。本当にありがとうございます! (2015年6月28日 14時) (レス) id: 3774ee6bdc (このIDを非表示/違反報告)
大宮sk♪(プロフ) - 智好き゚(゚´Д`゚)゚和好き゚(゚´Д`゚)゚大宮好き゚(゚´Д`゚)゚感動しました!! (2013年9月12日 23時) (レス) id: e3e9052229 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても柔らかな素敵なラストに、胸が熱くなりました。けいさんの温かさが沁みいるような、素敵な時間をありがとうございました。また、けいさんの新しいお話しと出逢えるのを楽しみに待っていますね。ありがとうございました。 (2013年5月20日 21時) (レス) id: 5b5e567b32 (このIDを非表示/違反報告)
智歌(プロフ) - けいちゃん、完結おめでとう^^ うぉーついに完結か……、今までありがとうございました!!おーみやさん達が幸せになれてよかった……// にやにやしながらPCに向かっております(笑) 次も楽しみに、首を長くして待ってます← ではでは!! (2013年5月20日 21時) (レス) id: e8f0ec24b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:けい | 作成日時:2012年12月31日 14時