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「ハンジさーん、こっちこっち!」
「早…っちょっと待って!」
朗らかな雰囲気をまとって、私たちは外に続く扉を開けた。
インクの滲んだ『短冊』はそれぞれの手の内に。
「うおお、何この雰囲気!最高に恋人っぽい!」
「恋人ですけど…!」
最もな返しに笑い、そうだねえ、と答えれば互いの頬が染まる。
さらさらと寝間着の裾をはためかせ、夜を駆けるAが、まるで羽根を背負った天使のように思えた。
縺れ足で立ち止まり、踊るようにこちらを振り向く彼女。
その美しさに今すぐ抱きしめたい衝動にかられてしまう。
なだらかな丘のある中庭は、なるほど、確かに空を一望するのにぴったりだ。
私たちは隣で星を見上げる。
すると炭酸のはじけるような歓声が、誰もいない夜にこだました。
「きれい……!」
「うん、こんなの初めて見たかも…」
「『アマノガワ』っていうみたいです。確かに川みたいに連なって光って、素敵ですね」
アマノガワ……天の川か。
名付けた人はなんて美しい感性の持ち主だろう。
しばしその壮麗に目を奪われていると、思い出したようにAが声を上げる。
「そうだ、ハンジさんは何をお願いしましたか?」
ひょこっと首をもたげ、私の二の腕あたりに髪が擦れた。
「っと、だめだめ。当ててごらん!」
「うーん……『巨人の謎を解明できますように』!」
「…そりゃもちろんしたいけど、流石にそんな風情のないこと書かないよ…」
それを聞いたAは、心底幸せそうな笑い声をもらす。
わかるよ。だって私も同じ気持ちだ。
些細なことが大切で、可笑しくて、貴女の言葉が全部愛しい。
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匿名名無し - 綺麗な文章で読みやすかったです。新作楽しみにしています (2021年5月5日 21時) (レス) id: 9083184134 (このIDを非表示/違反報告)
べりる(プロフ) - いんこぷりんさん» 私も!いんこぷりんさんが大好きです!!こちらこそ応援してます、今度は私がいんこぷりんさんの作品にコメントしに行っちゃいますね(..*) (2020年12月2日 17時) (レス) id: d7350d4092 (このIDを非表示/違反報告)
いんこぷりん(プロフ) - べりるさん» お互い強く生きていきたいですね…!わー!そうなんですか!キュンキュンして頂きありがとうございます!(感涙)本当にべりるさん大好きです…!これからも応援してます!(*^^*) (2020年12月1日 21時) (レス) id: a01a78f710 (このIDを非表示/違反報告)
べりる(プロフ) - いんこぷりんさん» う〜〜〜温かいお言葉ありがとうございます…染み渡ります…TT いんこぷりんさんもよくぞご無事で!!(?)ずっといんこぷりんさんの作品拝見してます。どんなネタでもキュンキュンで、最っ高です…。私も久しぶりにお話しできてうれしいです! (2020年11月30日 20時) (レス) id: d7350d4092 (このIDを非表示/違反報告)
いんこぷりん(プロフ) - やっぱりべりるさんの作品は本当に最高です!私も本誌の展開でかなり落ち込んで泣いたりしてました…。なのでべりるさんの事もとても心配していました。久しぶりにお見かけ出来て良かったです!嬉しいです! (2020年11月30日 10時) (レス) id: aafc5c7127 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べりる | 作成日時:2020年5月4日 16時