十四話「携帯電話の呼び出しと」 ページ15
久しぶりに夢を見た。
いつもは見ないのに………
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それは丁度、四年前の記憶だった。
私は誰もいない庭で、他の孤児院の子にいじめられていた。
ー人殺しー
ー忌み子ー
ー気持ち悪いー
ー近づくなー
ー俺たちを殺すなー
殴られ蹴られ、齢十才にして世の中の理不尽さを憎んでいた。
四年前のあのときのせいで………こんな異能、大嫌いだ。
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そこで目が覚めた。
頬は濡れており、自分は泣いていることがわかった。
「ここ……どこ…？」
辺りを見回すと見慣れない空間が広がっていた。
孤児院の早朝点呼も少しボロくなった灰色の天井も見当たらない。
隣を見ればすやすやと寝ているお兄ちゃんがいる。
「そうか……私……昨日の夜に……」
思い出した。
私は昨日虎になったお兄ちゃんを………そして太宰さんたちが……。
「ん………あれ？A？………ここどこ？」
「あ、お兄ちゃんおはよう。………ここは探偵社の社員寮だよ」
むくっとお兄ちゃんが起き上がる。
さっきの私と同じ反応をしている。
こういうところが兄弟なんだな。
ピリリリリッ
「「！？」」
同じタイミングで肩をびくつかせる私達。
どうやらお兄ちゃんの携帯電話が鳴っているようだ。
「ぼ、釦どれ！？」
「多分ここだよ。ほら！早くしないと電話切れちゃうよ！」
「ここか！」
携帯電話の着信音にビビり、其れに出るのにも一苦労。
携帯を扱うのにこんなに大慌てでは先が思いやられる。
「は、はい？」
『やあ敦君。新しい下宿寮はどうだい？善く眠れた？』
お兄ちゃんがなんの会話をしているのかは判らないが、携帯からうっすら聞こえる。
多分電話をかけてきたのは太宰さんだ。
「お陰さまで………こんな大層な寮をいただいて。」
お兄ちゃんと私は不幸続きで感覚がおかしくなっているのだろうか、
他の人から見たらボロいと云われそうな寮でもまるで豪邸のように喜べる。
なんだか悲しくなってきた。
『それは良かった。ところで頼みが有るのだが』
「？」
お兄ちゃんの頭に『はてなマーク』が見える。
一体何を話しているのだ？
パタンと携帯電話を閉じるお兄ちゃん。
「A………何か太宰さんが呼んでるみたいなんだけど……」
……一体何があった。
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+アリス+(プロフ) - 野良神さん» 誤字の指摘ありがとうございます。すぐに直しますね。 (2018年12月24日 10時) (
レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
野良神(プロフ) - １３ページの異能力が維能力になってますよ！ (2018年12月24日 9時) (レス) id: 98ee09b097 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» 判りました。こちらの不具合かもしれないので直してみます。この作品を見てくださりありがとうございます (2018年10月13日 21時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
issu(プロフ) - はい！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9f68ff9d03 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» イメ画は設定のところにあるもののことでしょうか？ (2018年10月12日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+アリス+ x他1人 | 作成日時：2018年4月6日 17時
