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十三話「これより始まる怪奇譚」 ページ14

「おい太宰!」




誰かと思えば国木田だった。
こんなみっともない顔は見せられないので必死に涙を拭う。
でもゴシゴシといくら拭っても涙は止まらない。




「無理して泣きやまなくてもいいよ。」

「?」





そんなAを可笑しく思ったのか、太宰はくすっと笑いながらこう云った。






「今までずっと敦君に虎のこと隠してきたんでしょ?
………でももう大丈夫だ。
今までよくがんばったね。」






太宰がそっと頭を撫でる。
それはいつもお兄ちゃんがしてくれるみたいに優しい手のようだった。
そこに国木田が駆け付ける。
太宰に文句を云いながらも状況を把握してくれたようだ。






「おかげで非番の奴まで駆り出す始末だ。皆に酒でも奢れ。」







国木田の後ろに現れる三つの人影が現れる。
右から順番に、
黄色い髪でオーバーオールを着た小柄な子。
背の高いハイカラな格好をした短い黒髪が素敵な女性。
探偵チックな格好をした童顔な男性。
ダメだ。展開が速すぎて頭が付いていかない。






「なンだ、怪我人はなしかい?つまんないねェ」

ー与謝野晶子 能力名「君死給勿」ー



「はっはっは。中々出来るようになったじゃないか太宰。
まあ僕には及ばないけどね!」

ー江戸川乱歩 能力名「超推理」ー



「でも、そのヒトどうするんです?自覚はなかったわけでしょ?」

ー宮沢賢治 能力名「雨ニモマケズ」ー



「どうする太宰?一応区の災害指定猛獣だぞ。」

ー国木田独歩 能力名「独歩吟客」ー







緊張と不安でフラフラになる足を踏ん張って、どうにか立ち上がる。






「災害指定猛獣?
……ってことはお兄ちゃん捕まっちゃうんですか?
だ、駄目です!お兄ちゃんは私のたった一人の家族なんです!だからッ……」



「安心したまえAちゃん。実はもう決めてある」

ー太宰治 能力名「人間失格」ー






太宰は先を見つめるように微笑む。
そして……






「うちの社員にする」





………………。






「「はあああああああああ!?」」






これが『ゲームオーバー』なのか、はたまた『コンティニュー』なのか。
それを知るのは誰もいない。









ーこれが事の始まりー




ー怪奇ひしめくこの街でー




ー変人揃いの探偵社でー




ーこれより始まる怪奇譚ー





ーこれが先触れ前兆しー








ー中島敦 能力名「月下獣」ー

ー中島A 能力名「光と風と夢」ー

十四話「携帯電話の呼び出しと」→←十二話「人間失格」



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作品ジャンル:アニメ
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+アリス+(プロフ) - 野良神さん» 誤字の指摘ありがとうございます。すぐに直しますね。 (2018年12月24日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
野良神(プロフ) - 13ページの異能力が維能力になってますよ! (2018年12月24日 9時) (レス) id: 98ee09b097 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» 判りました。こちらの不具合かもしれないので直してみます。この作品を見てくださりありがとうございます (2018年10月13日 21時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
issu(プロフ) - はい! (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9f68ff9d03 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» イメ画は設定のところにあるもののことでしょうか? (2018年10月12日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:+アリス+ x他1人 | 作成日時:2018年4月6日 17時

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