二人の距離 part2【御幸一也】

第89話 ページ40

【御幸side】


待ち合わせに指定した公園に行くと、まだ高島は来ていなかった。




御幸「まあ、15分前だしな。」




女を待たせるわけにもいかないと思い、少し早めに寮を出た。

バッチリ他の部員にも見つかってしまったので、帰ってからは質問攻めされるだろうな……なんて考えていると




「────あれ、御幸？早いね！」




私服姿の見慣れない高島が現れた。




御幸「……さっき来たとこ。お前も早いな。」

「うん、案外早く着いちゃった。」

御幸「そっか……。」




ホント、なんかいつもと違う。

白いワンピースにピンクのカーディガン。

髪型もいつもと違し、化粧もしてる。

俺の知ってる高島だけど、高島じゃないみたいだ。




御幸「……なんか腹減ったな。
昼飯に何か食べたいもんあるか？」

「うーんと、そうだなぁ……パスタとか？」

御幸「あ、俺いいパスタの店知ってる。」

「ホント？じゃあそこがいいな。」




よし、普通に話せてる。

高島も普通だし、変に緊張する必要はねえよな。

そう自分に言い聞かせつつ、チラッと俺の横を歩く高島を見る。

…………可愛いな。




「─────でね、春乃ちゃんってばおにぎりの塩と砂糖を……って御幸聞いてる？」

御幸「ん？……あぁ、わり。」

「……もしかして体調悪い？」

御幸「ははっ、そんなことねえよ。」




やべ…………つい見惚れてた。

心配そうにする高島の頭をぽんぽんと撫でると「ならいいけど……。」とまた喋り始める。

今日の俺、ホントだめだな……。

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