二人の距離 part2【御幸一也】

第52話 ページ3

【御幸side】


御幸「……怒ってる？」

「別に。」



いやいや、嘘つけ！！
怒ってんじゃん！！



御幸「俺が好きなのは高島です。」

「もう知ってます。」

御幸「俺はお前の彼氏です。」

「わかってます。」





……まぁ、そりゃ嫌か。

口じゃないにしても彼氏が他の女からキスされたら。

逆だったら俺も死ぬほど嫌だし。







御幸「…………好きだ。」







高島を抱きしめて、耳元で、はっきりと言う。


悲しませないように。


不安を与えないように。






「…………私だって、好きだよ。」






そう言って、高島も俺の背中に手をまわして抱きしめ返してくれる。






「明日、二人でお店たくさんまわろうね。」









ちゅっ









御幸「………………なんで口じゃねーの？」




また右頬に温かくて柔らかい感覚。

嬉しいけど、俺がこの甘い空気で求めていたのはそこじゃないわけで。




「だってさっきそこにされてたじゃん。」


御幸「…………消毒的な？
あ〜それはそれでけっこうイイな♡」


「っ……うるさいっ////」





顔を真っ赤にして密着していた身体を離す。

妬いた顔も、照れた顔も、全部可愛い。

すっげえ好き。







御幸「高島……………キスしていい？」

「え………んっ////」






高島の了解を得る前に、もう俺は高島の頬に手を添えて、自分の唇を高島の唇に重ねていた。






御幸「……絶対、大事にするから。」

「……私も。」







これが、俺と高島の初めてのキス。

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