二人の距離 part2【御幸一也】

第65話 ページ16

【御幸side】

修学旅行4日目(最終日)


この日は朝の便で日本に帰るので、どこかへ観光することもなく、朝食を食ったらすぐさま空港へ向かった。


行きと同じで先生達はパスポートの確認とか「帰るまでが修学旅行だ」とか堅苦しいことを言っている。




御幸「同じこと何回も言われなくてもわかってるっつーの。」


川上「まぁ、あれが先生達の仕事だから……。」


御幸「自分のベッドが恋しいな……。」


川上「急に話の内容変えんなよw」





帰りの飛行機も俺はもちろんノリの隣 兼 窓際。

ノリはもうモニターで何の映画を観ようか選んでいる。





川上「沢村と降谷、御幸がいなくても大丈夫だったかな。」


御幸「あのバカ達のことはクリス先輩や宮内先輩に任せてるし、大丈夫だろ。」






盆や正月以外で部活から離れて野球をしなかったのは初めてだ。

身体が鈍ってる気はしねえけど。






御幸「早く帰って野球してえな、ノリ。」


川上「あれ、御幸はいったん実家に帰んないの？」


御幸「あ〜……そっか。」






親父やら親戚やらに土産買ってたの忘れてた……。

土産だけ渡したらすぐ寮に戻ろう。






川上「帰ったら高島とのこと、先輩達にも言わないとね。」


御幸「…………やっぱ言うべき？」


川上「隠してバレた時のほうが怖いだろ。」


御幸「…………確かに。」


川上「女の高島に言わせるのも可哀想だし、お前から言わないと。」


御幸「…………わかったよ。」





言いづらいけど言うしかない。

いじられるか殺されるかのどちらかだと思うけど。

…………土産を渡してご機嫌をとってから言おう。









.









.









約8時間後、日本へ到着。

学校までバスで移動し、提出する感想文の用紙を配られて解散となった。




御幸「じゃあこれ、淕に渡しといて。」


「うん、わかった！」




淕への土産を高島に託して…………先輩達へ報告していいか一応聞いてみる。




御幸「俺この後実家に帰ったらすぐ寮に戻るんだけどさ。
その……先輩達に俺たちのこと言っても大丈夫？」


「えっ……////」


御幸「隠してると……あとあと怖いから。」


「あ、そっか。
じゃあ……よろしくお願いします……////」




照れる高島。

それを見てちょっとニヤけそうになる俺。

こんなところ見られたら、マジで純さんあたりに殺されそうだ。

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