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第八話 クランクハイト ページ9

こつこつと響く靴の音、井戸端会議の賑やかな声、遠くから聞こえてくる鐘。オレの生きる未来都市は、思っていたのとはまるっきり違う世界だった。

「あ、くらんくはいとさま!こんにちは!」

布の服を着た少年が、オレに明るく挨拶をしてくる。その素朴な笑顔に、オレも自然と笑顔になっていた。

「こんにちは、今日も元気かい?」

「うん!」

「そうか、それは良かった」

いつからだっただろう、他人の幸せを、他人の笑顔を素直に喜べるようになったのは。
この前カレンダーを見て、オレたちが地上で暮らしていたころから千年も経っていたことに驚いたっけな。

……人類が地下で暮らすようになったのは、きっとオレのせいだ。
かつてフォボス症候群で全てを喪い狂ったオレは、シエラ様と共に生物兵器を作り世界を破滅に追いやった。だが、その一連の騒動がなければ、オレがメレディスと結ばれることはなかったし、愛しい子供たちも存在しなかった。
シエラ様がいて、メレディスがいる。
ここに住まう人々が幸せなら、地上の惨状もオレの過去もどうだっていいことなのかもしれない。

現に、西区の住民のどれほどが、オレがかつて非人道的な悪行に手を染めていたと知っているだろうか。

「……さて、今日も仕事に励むとするか」

こんなくだらないことを考えていても何も始まらない。
オレは再び、目的地へと歩み始めた。

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ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年11月13日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月13日 19時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年11月12日 21時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月12日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しましたー (2019年11月9日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ x他4人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年10月14日 19時

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